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 議員は語る資格があるのか?
〜まずはケジメをつけろ〜
 青山 貞一

掲載日:2004.5.16

 自民党の安倍幹事長は、国民年金の未納問題に関連し、マスコミは興味本位で、魔女狩り的に騒ぎすぎると、ぶる下がり取材の記者に言明した。

 国民年金問題に責任をもつ政権与党の幹事長として、安倍幹事長は自分が何を言っているのか分かっているのだろうか。

 自民党は、まず衆参全議員の正確な未納リストを出してからと言いたい。

 そんななか、5月15日、小泉首相が国民年金について実質的に6年以上未加入であることが分かった。小泉首相の首相秘書である飯島氏が発表したのである。しかも、同日、日本政府は小泉首相が5月22日に拉致被害者を連れに行くことをプレスリリースしている。このタイミングはどうみても、急激に国民的問題となっている年金問題をはぐらかすためと思われても仕方がない。

 こうみてくると、安倍幹事長が居丈高にマスコミを批判していたのは、やはり小泉首相の未加入問題を隠蔽するため、と思われても仕方がない。まさにそうだ。

 周知のように、国民年金への国会議員の未納、未加入問題は、戦後日本の政界を揺るがす大きな問題となってきた。

 その本質は、国民の国民年金未納問題について、まず日本政府と自民党、公明党など与党は語る資格があるのか、語る資格などない、と言うことだと思う。

 国民の側から見た今回の問題の本質は、そこにある。

 未納議員らは自分たちが言っていることと、してきたことの乖離をどう釈明ではなく、問題は政治家としてどうはっきりとケジメをつけるのか、と言うことにある。

 それなくして、国民からの信頼は得られないし、次にステージに進むことはできない。
 
 ケジメなきまま、制度が複雑でわかりにくいから、制度を直せとか、複数の年金を一元化しなければだめだ、などしたり顔で分かったようなことを言う前に、国民に対し、はっきりとケジメを付けなければならない。
 
 とくに公明党は問題の年金法案を考案した政党である。

 にもかかわらず、神崎、冬芝、北側の3党幹部は自分の未納を隠し、法案衆院通過後明らかにしたはきわめて悪質だ。しかも、3役は役職を辞任しないとひらき直り、議員年金の廃止などと言い出した。まずは3役を辞任してからとして欲しい。

 日本社会、日本人は、政治家にかかわる問題について、きわめて寛容だった。他国なら暴動が起きるところだろう。

 その結果、国会議員や首長はその場をどうにか凌げば、そのうち台風は去る、程度の認識できたのである。とくに今回のように、与野党を問わず問題が発覚した場合はそうだ。ややもすれば、菅直人元代表問題によって、与党の責任があたかも民主党の問題であるかのようにすり替えられそうになった。

 第二自民党、寄せ集め政党と揶揄される民主党は、確かに菅直人前代表に限らず、あまりにもお粗末な政党であることは間違いないところだが、さりとて今回の問題はあくまでも、与党に一義的な責任があることは言うまでもない。

 新生、小沢民主党は、3党合意を破棄し、他の野党と共同でこの問題を完全リセットすべきである。その上で国民的議論を行い、一元化問題、手続き問題を含め一から制度設計を再開すべきである。

 いずれにしても、衆参議員全員がケジメをつけおわるまで、一歩たりとも年金問題に着手してはいけない。