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ゴミ焼却大国「日本」   青山 貞一


 21世紀は「成長の限界」があまねく先進諸国に行きわたり、20世紀以上に資源・エネルギー・食糧の有限性が認識されなければならないだろう。自然との共生、資源の循環が一段と重要な課題となる。

 しかしどうだろう、日本社会では本来資源であるべきものの多くが廃棄物、ゴミとなっている。
 そればかりではない。
1977年にゴミを燃やしダイオキシンが排ガスと焼却灰から発生することがオランダで判明して以来、先進諸国はいかにしてゴミを出さないようにするか、ゴミを焼やさないようにするか腐心してきた。

 にもかかわらず、日本では資源であるべきものが安直にゴミとして焼却されダイオキシンなど有害化学物質を含む焼却灰が自然豊かな里山や海浜に毎日のように埋め立てられている。

 今や日本で家庭から出るゴミの総焼却量は、人口で約2倍の米国よりも多い。

 日本のこのような廃棄物処理の現状を筆者らはゴミ「焼却主義」と呼んでいるが、環境の世紀21世紀を考えれば、「焼却主義」は根本から是正されなければならない。

 「焼却主義」は、@資源エネルギーの浪費、A有害化学物質リスクの発生、B二酸化炭素など温室効果ガスリスクの発生、C膨大な国費を使い焼却炉等を建設する財政リスクがある。

 「焼却主義」を進めるわが国がいくら「循環型社会」を叫んでみても空虚である。
 
 上記を主旨とした「論点」を2004年1月26日に読売新聞朝刊に掲載したところ、全国各地から多くの反響が寄せられた。「論点」では、日本の焼却主義の批判だけでなく、ではどうすればよいか、についての政策提言も掲載した。「論点」全文は http://eritokyo.jp/yomiuri-ronten040126.pdf

 少々驚いたのは、財務省国税局、政府税調、総務省行政評価局など、国の官僚らがこぞって意見を聞きたいと、現役の課長らが私のところに来たことだ。いずれも、環境立法、政策、施策、財政措置の是非に係わることについて、私の考えを聞きたいと言うのである。

 主要省庁が機敏な対応をとり、真摯に意見を聞きに来たのに対し、肝心な環境省(旧厚生省)からは何ら音沙汰がない。環境省と言う役所は昔から唯我独尊的なところが強いと常々感じている。