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家電リサイクル体験記   池田こみち


 家電リサイクルを体験してみた。20年以上使っていた古いテレビ2台が長い間部屋の場所塞ぎとなっていたこともあり、思い切って処分することにした。初めて、家電リサイクル法の手続きを経験する訳である。

 まず、いずれも古いテレビなので、販売店など覚えていない。そこで、練馬区役所から各戸に配布されている「資源・ごみの分け方と出し方」というパンフレットを参照。小売店が不明の場合には「家電リサイクル受付センター」に申し込みをするように、と説明があった。料金の目安として、テレビの場合、リサイクル量は消費税込みで2835円〜3769円、収集・運搬料は「各小売店が決めて公表します。」と書いてあり、金額は不明。

 さっそく、家電リサイクル受付センターに電話をしてみた。電話口の女性から、まずテレビのメーカーを尋ねられたので「ソニーと三菱です。」と言うと、大きさは違うがいずれもリサイクル料は2835円だという。それから、住所・名前・電話番号などを伝えると、「お住まいの地区だと●●興業が収集に伺います。収集運搬料は一台につき2500円です。」と。

 どうやら、テレビ2台の処理量は1万円を超えることになるようだ。今の時代、ブラウン管型の小型テレビなら1万円を出せば新品が買える。それに、毎日のように「映らなくても結構です。不要になった家電製品を無料でお引き取りします。」という廃品回収業者の小型トラックが町内を回っている。2台のテレビの始末に1万円を超える費用を負担することがわかった時点で、「マジで!」と思う人も多いことだろう。実は私もはっきり言ってそう思った。「3月18日の午前中に取りに伺いますので、品物を玄関の外に出しておいてください。料金はその際にお支払いください。」ということだった。

 仕事柄、廃品回収業者に無料で引き取ってもらうのもいかがなものか、ということも頭をかすめ、仕方が無く引き取りを依頼した。予定通り、●●興業はテレビを持っていった。収集・運搬の許可をもつ廃棄物処理業者である。私の手元には「排出者用伝票」といういわゆるマニフェスト伝票が1枚残された。2台一緒なのに5000円(2500円×2)の収集運搬料はちょっと高い。仮に回収拠点があって持ち込んだり、送ってもよいというシステムだったらどうなるだろう。それに、リサイクル料の2835円(税込み)の内訳はどのようになっているのだろうか。

 つい最近、リサイクルのために回収した商品が外国に流れていたことが問題となったが、リサイクル料2700円(本体価格)の中身いかんによっては、むしろ、途上国でリペア、リユースしてもらった方がよいのではないか、と思ってしまう。

 マニフェストは追跡できることが可能なシステムである。私のテレビがどこでどのようにリサイクルされるのか、2700円分にふさわしい末路をたどるのか見届けたい気分になってきた。2700円払ってもほんとうに有効にリサイクルされるのは100円分ぐらいではないか、という話もある。

 なんとなく釈然としない今日この頃ではある。次はパソコンリサイクルを経験することにした。エプソンのCRTが4200円ということで郵便振替伝票が送られてきた。リサイクルにはお金がかかる。ある程度かかるのは仕方がないと思うが、どうして消費者がそこまで負担しなければならないのか、今ひとつ釈然としないのである。(つづく)