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煮え切らない民主党
  青山 貞一

掲載日:2004.4.10

 今回の3人人質問題で、最も煮え切らないのは民主党だ。4月9日に菅代表が出した談話では自衛隊撤退に触れていない。

 4月10日夜になってやっと以下の記事が出た。若手議員の記者会見では、自衛隊のイラクからの速やかな撤退を求めるアピール文を発表した。小沢一郎代表代行や横路孝弘副代表も賛同していると言う。
 
 もともと、民主党は昨年末の臨時国会で日本政府のイラクへの自衛隊派遣に反対していた。その理由は、イラクのサマワが「非戦闘地域」ではないと言う判断からだ。であるなら、現在のサマワの状況を考えれば、明らかに自衛隊は撤退させると即断できるはずである。それができないのは、やはり松下政経塾系議員らの存在ではないのか。ここに菅代表率いる民主党の優柔不断さをかいま見る。

民主議員27人、自衛隊撤退を要求 小沢代表代行も賛同

イラクでの邦人人質事件について民主党の生方幸夫、岡島一正、小林千代美ら中堅・若手の衆院議員5人が10日、国会で記者会見し、自衛隊のイラクからの速やかな撤退を求めるアピール文を発表した。同党の衆参議員27人が署名したもので、生方氏によると、署名者以外でも、小沢一郎代表代行や横路孝弘副代表も賛同しているという。

 同党が9日に菅代表名で発表した談話は撤退に触れていなかった。生方氏は「『戦闘地域には自衛隊を派遣しない』とするイラク特措法に基づいて撤退を決断すれば、(テロに屈したと)国際的に非難されることはない」と述べた。

 朝日新聞 2004年4月10日、午後9時
朝日新聞 2004.4.10 21:14


 松下政経塾出身の民主党議員は多数いるが、以下は知人の福山哲郎参議院議員から届いたメルマガである。福山議員のメルマガは、現在の民主党の優柔不断さを象徴している。野党第一党がこれでは日本国民は浮かばれない。

テツロー日記 第151号  2004年4月9日(金)
「ゴールが見えない」


この日記を毎日書くと心に決めてから約一週間、何を皆様に伝えるのか?どんな事を表現するのか?予定がビッシリの中で、自分の感性のアンテナを常に高くしていないとなかなか文章が進まない・・・。
その意味では、重苦しい一日だった。昨夜の日本人3人の拘束を受けて何とも言えない気持ちで朝を迎える。本来なら年金法案について小泉総理が「一元化」発言にどんな説明をするのか?与党案−民主対案の優劣を競って、論戦が繰り広げられるはずだったのだが・・。急遽菅代表がバッターに立ち、3人の拘束について、救出にむけて与野党を超えて、協力することを表明。その後、枝野政調会長が年金について質問と答弁の両方に立つも、マスコミはわずかしか年金は取り上げない・・・。

だからと言って、3人の拘束について新たな情報が出るわけでもなく武装集団との接触の方法も未だにつかめないとのこと・・・。「撤退はしない」と小泉総理が表明したということは、3人の命は、このままでは、とても厳しい状況に追い込まれる・・・。無事救出を願うしかない。

「相手の要求をのむ、ということは卑劣な行為に屈することになる・・・」その通りなのだが、今ひとつ釈然としない。ならば、3人に万が一のことがあった場合、「テロに屈してなかった」とは言えるが、そのあとに、このイラクの混乱・治安悪化が良くなる展望があるのだろうか・・・今の悪い状況がさらに加速するだけなのではないか・・・。3人だけではない。サマワの自衛隊はある意味では、大変危険な状況に放り込まれている。

ゴールが見えない闘いはつらい。イラクでの多くの衝突がテロリストの犯行かイラク人の抵抗運動なのかもわからなくなっている。

一体、誰のための復興支援で、誰と闘っているのか・・・。いろいろ考えが交錯しながら時が流れた・・・。(あと94日)

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   参 議 院 議 員  福山 哲郎