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3Rイニシアティブ閣僚会議
傍聴記(2日目)

池田こみち
掲載日:2005.5.3

転載禁

3Rイニシアティブ閣僚会議二日目、
2005年4月30日(土)午前9時〜11時



3Rイニシアティブ閣僚会議 撮影:池田こみち

二日目の午前中に開催された第四セッションでは、3Rを推進するための「様々な関係者間の協力と化学技術の推進」をテーマに議論が行われた。議長を務める小池環境相は、黒のパンツスーツをすっきりと着こなし、流ちょうな英語で進行役をこなしていた。


UNEP事務局長 撮影:池田こみち

一日目は、3R推進のために各国が取り組んでいる施策の紹介と国際間に山積する課題の列挙となり、やや議論が理念的かつ表層的に流れた感が否めなかったが、二日目はより具体的な地に足の着いた議論が期待された。まず、リードオフスピーチとして、5カ国からの報告の後、引き続き意見交換が行われた。

 唯一自治体として参加したノバスコシアからの報告が全体の議論をより具体的なものにする上で大きな役割を果たした。日本からの説明や報告は、ともすれば、「エコタウン事業」に代表されるようなハードな技術に依存した処理・処分の実態報告とPRが中心であったが、よりソフトな知恵やノウハウ、仕掛けを必要とする「3R」とはやや相容れない部分が目立った。

 こうした会議では、まず前提となる現状のごみの処理の実態をしっかりと踏まえた上で、課題をクリアにした議論が不可欠である。特に、日本においては、焼却率78%、リサイクル率16%、一般廃棄物焼却炉1300施設、埋立処分場2000カ所、大気中題意オキシン濃度は欧米の6〜7倍、といった現状を無視して3Rの議論はあり得ないことをしっかりと認識して欲しい。

 その意味でNGO代表の発言は、もう少しつっこんだ指摘がほしかった。3Rの必要性や理念は既に十分に認識されている。日本がこの分野で本当の意味のイニシャティブを発揮するためには、現在の方向性(プラスチックは焼却してエネルギーを回収する方向を打ち出したり、産廃の混焼を認めるなど)がいかに3Rから遠いものであるかを明確に否定することが必要であったように感じた。

池田こみち

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