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関西水俣病訴訟 最高裁判決
環境大臣談話
平成16年10月15日

掲載日:2004.10.18

 本日、水俣病に関する損害賠償訴訟請求として唯一継続していた、いわゆる水俣病関西訴訟について、最高裁判所の判決が言い渡されました。

 判決では、一部原告による国、熊本県に対する請求は棄却されたものの、国及び熊本県には、いわゆる水質二法及び熊本県漁業調整規制規則に基づいて対策を講じる義務があったにもかかわらず、それを怠った責任があるとされました。

 私は、この判決を厳粛に受け止め、水俣病を発生させた企業への対応に長時間を要しその被害の拡大を防止できなかったことについて真摯に反省し、このような悲惨な公害を決して再び繰り返してはならないとの決意を新たにしております。

 また苦しみと無念の思いの中で亡くなられた方々に改めて深い哀悼の念をささげ、本訴訟の当事者の方々をはじめ、多年にわたり筆舌に尽くしがたい苦悩を強いられてこられた多くの方々に対し、誠に申し訳ないという気持ちで一杯であります。

 水俣病問題に関しては、平成7年の与党三党による政治解決により、高度の政治的判断の下で最終的かつ全面的な解決が図られ、多くの方々が苦渋の決断によりこれを受け入れられました。

 政府としては、この大変重みのある政治解決に沿って、長きにわたり心身の労苦を耐え忍んでこられた方々が地域社会の中で心豊かに安心して暮らしていけるようにすることが、行政の責務であると考えています。


 このため将来にわたって、水俣病総合対策医療事業やチッソ支援を含む地域振興のための施策を着実に実施するとともに、「もやい直し」などの水俣病の関係地域の再生と融和に向けた取組みを支援してまいります。

 同時に、これからも水俣病の教訓を後世に伝え続け、日本で、そして世界で二度とこのような悲惨な公害が起きないようにすることが政府の使命です。再来年には、水俣病が公式に発見されてから50周年を迎えます。この機会に、改めて水俣病の教訓を国内外に発信してまいります。

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青山貞一からのコメント

 上記の環境大臣談話は、2004年10月15日、原告団、同弁護団と環境省との行政交渉現場(合同庁舎22階)で知人が入手してきたものです。

 内容は一件、環境大臣が謝罪しているように思えますが、実は官僚が書いた談話、すなわち内容は真摯な謝罪などではなく、いわば開き直っているだけ(とくに上記談話中、灰色で示した部分)であることが分かります。