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庶民は怒る
 大銀行の最高益!

日刊ゲンダイ

2006年5月25日


─ Dailymail Businessより ───────
■ 庶民は怒る 大銀行の最高益
■ まともな仕事がバカらしくなる世相風潮に警告
■ 巷の庶民が働いて貯めた銀行預金の利率を
■ 15年前の水準に戻せ、三菱UFJ銀行殿
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不良債権が減って戻り益が出たため史上最高の利益が出たなどといっているが、少しは預金者に戻したらどうなのか。
公的資金注入で救済され、ゼロ金利の日銀のカネを使い、庶民には利子も払わずに支店を次々閉鎖してきた金貸し業が、こんなに大儲けしていいものなのだろうか。
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 これは、いくらなんでも儲けすぎだ。大手銀行が軒並み空前の好決算を記録している。

 きのう(23日)大手銀行6グループの決算が出揃った。「三菱UFJ」「みずほ」「三井住友」のメガバンクはもちろん、「住友信託」「三井トラスト」「りそな」と、揃って過去最高益を叩き出している。

 6グループ合計の最終利益は3兆1200億円と前期の4倍。バブルのピークだった89年3月期でさえ1兆6650億円だったから、いかにボロ儲けしているかは一目瞭然だ。

 なかでも突出しているのが、三菱UFJである。最終利益は1兆1817億円と、銀行業界で初めて1兆円を突破。日本企業トップのトヨタ自動車(1兆3721億円)に迫る巨額の黒字を計上した。三井住友も6868億円、みずほ6499億円と、NTT(4986億円)の利益を大きく上回った。

 ほんの数年前まで金融危機が叫ばれていたのがウソのような状況である。「投資信託や年金保険の販売手数料が大幅に伸びたうえ、過去に積み立てた貸倒引当金が、取引先企業の業績好転で戻ってきたのが大きかった。大手銀は不良債権の処理もほぼ終了。みずほの不良債権比率は1.41%、三菱UFJ2.07%、住友信託はわずか0.9%です。どの大手銀もピカピカの決算内容。三菱UFJ、みずほ、三井住友は今期中に公的資金を完済する予定です」(経済ジャーナリスト・松崎隆司氏) 大手銀行はまさに我が世の春だ。

▼ 預金者を犠牲にした空前の好決算 ▼

 しかし、こんなバカな話はない。今回の好決算が、大銀行の血のにじむリストラや、画期的なビジネスモデルを考えた成果なら構わない。だが、銀行ボロ儲けの理由は、
ひとえに「公的資金」と「ゼロ金利」のおかげだ。すべては預金者を犠牲にした結果
である。

 銀行に投入された公的資金の総額は、預金保険を含め47兆円。国民1人当たり36万円が“銀行救済”の名目で吸い上げられた。

 ゼロ金利政策の被害はより甚大だ。バブル崩壊後の超低金利で「91〜04年に家計が失った金利収入は累計304兆円」(日銀の白川方明理事)に上る。要するに、家計から銀行に304兆円ものカネが“所得移転”されたということだ。帝京大教授の降旗節雄氏(経済学)が言う。

「ゼロ金利の恩恵で銀行はタダ同然で資金を調達してきた。本来、払うべき利子を払っていないのだから儲かるのは当然。銀行にとってカネは商品そのもの。コストゼロで商品を仕入れて売っているのだから、誰がやったって儲かりますよ。カネを右から左へ動かすだけで銀行が一方的に儲かるシステム。これで銀行経営者に好決算を誇られてもシラケるだけです」

 そもそも、モノもつくらないカネ貸しが、こんなに儲けていいのか。

▼ 預金金利はバブル時の「6%」が妥当だ ▼

 これだけの好決算を記録したら、少しは預金者に還元するのが当然である。これまで、多大な犠牲を強いてきた預金者に「長い間、ご迷惑をおかけしました」と三つ指ついてもバチは当らないというものだ。

 ところが、大銀行は預金金利を上げる気はサラサラない。「儲け過ぎといわれる実感はない」(みずほ前田晃伸社長)、「外資に比べると収益構造は弱い」(三菱UFJ畔柳信雄社長)という態度である。これからも超低金利を続けるつもりだ。経済評論家の広瀬嘉夫氏が言う。

 「現在、普通預金金利は0.002%、100万円を1年間預けても利息は20円です。スーパー定期預金(300万円未満1年物)でも利率は0.08%、100万円を1年間預けても利息はたったの800円です。税引き後の手取りは640円。ATMで他行に2回も振り込めば、手数料で利息は吹っ飛んでしまう。いくらなんでも、こんな低金利を続けるのはひどすぎる。大銀行は軒並み過去最高の儲けをdしているのだから、日銀のゼロ金利解除を待たず、自発的に金利を引き上げるべきです」

 どの程度の金立位順が妥当なのか。バブル期の2倍の利益を上げているのだから、極端に言えば、バブル当時の預金金利にしたっていいのじゃないか。バブル末期の91年、普通預金は2.08%だった。この水準に戻せば、庶民の懐も温かくなること請け負いだ。

 「金利6%なら、12年で預金は2倍になります。1000万円の利息は年間60万円、これなら年金生活者も退職金を預けるだけで小遣い程度は稼げる。金利を当てに老後の人生設計をしていた預金者も救われます」(金融アナリスト)。

 1兆円の”最終利益”を出している大銀行の三菱UFJ銀行に、この程度の預金金利の引き上げをやれないはずがない。

 預金金利の引き上げと同時に、バカ高い手数料も即刻、引き下げることだ。そもそも、預金者にまともな利子も払わずに手数料を取ろうという根性が間違っている。何より、午後6時以降にATMで預金を引き出すと、105円も手数料を取られるなんておかしい。何でも自分の金を下ろすのに手数料を取られるのか。

▼庶民を食い物にしてきた日本の銀行▼

 これまで日本の銀行は、一度でも庶民の味方をしたことがあるのか。いつも弱い者をいじめてきただけだ。

 日本経済がデフレ不況にあえいでいきたここ数年間、容赦ない「貸しはがし」「貸し渋り」で中小企業をとことん苦しめてきた。

 ある日突然、運転資金を引き上げれれて会社が倒産、自殺した経営者が何人いたことか。

 その反対に、借りる必要のない金を無理矢理企業に貸し付けている。三井住友銀行などは、融資先の中小企業に「」融資を受けたいなら、”金利スワップ”を変え!”」と無理を言わさず金融商品を押しつけている。これがまともなバンカーのやることか。商業道徳のかけらもない。少しは恥を知ったらどうだ。

 「雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す、これが日本の銀行のやり方です。銀行は免許事業者なのに、社会的責任を果たそうという気がまったくない。もう借りさえすればいいという態度です。自分たちが公的資金で助けられ、ゼロ金利という庶民の犠牲の上に成り立っているという謙虚な態度がまるで見えない。これじゃ、とてもバンカーとは呼べない。ただの金貸しです」(広瀬氏=前出)

 キャッシュか^どの偽造が問題となった当初、「預金者が悪い」と責任を転嫁したこともあった。

 バブル期を迎える空前の決算を挙げながら、預金者に還元しないで済ませようなんて絶対に許されない。重ねて言うが、即刻、預金金利を上げることだ。
 
 
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