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防衛庁が防衛省になったら
これだけ変わるこの国


日刊ゲンダイ

再掲載日:2007.1.10


─ Dailymail Businessより ────
■ これは杞憂でも極論でもない
■ 防衛庁が防衛省になったらこれだけ変わるこの国
■ とにかくこれだけのヤバイ事態が必ずくる
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(1)自衛隊が陸軍、海軍、空軍になる
(2)制服を着た軍人が街を大手を振って歩くようになる
(3)軍事予算が膨張し勝手に使われ会計検査院の手が届かなくなる
(4)制服組が防衛大臣になって、文民統制など目でなくなる
(5)兵隊の数が足りないので韓国のように徴兵制が施行される
(6)巨大になった軍隊は海外紛争地にドンドン出かける
(7)気に食わない人物は若手軍人の手によって殺される
(8)軍事機密を守るとかいって情報公開や自由な言論ができなくなる
(9)愛国心教育と新しい歴史教科書で育つ子供が大人になる頃この国
は世界から孤立する
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「防衛省」がきょう(9日)誕生した。東京・市谷の防衛庁正面にある門標は「防衛省」に看板が掛け替えられ、久間章生防衛庁長官に、初代の防衛大臣の補職辞令が交付された。

 もちろんこれは、単なる看板の掛け替えとはワケが違う。防衛庁が「防衛省」に変わったことで、この国の防衛・軍事政策は一大転換をしていく。

「防衛省への昇格は、日本の軍事大国化へのスタートと位置付けていいでしょう。歴代の政権は、憲法の制約の中で自衛隊を持つことに後ろめたさがあったから、防衛庁を省にはできず、内閣府の一外局にとどめてきた。その縛りから解き放たれ、悲願のスタートを切ったことで、ゴールも近づいてきた。

 そのゴールとは自衛隊を普通の軍隊にしていくことです。今の憲法では9条によって陸軍、海軍、空軍を保持しないとなっていますが、安倍政権は憲法9条改正を政治スケジュールに乗せた。3年後か5年後か、いずれ自衛隊は陸軍、海軍、空軍からなる国防軍に変わる。そのときは防衛省も国防省に変更されていくのでしょう」(軍事問題評論家・前田哲男氏)

 当然、これまでは日陰の存在だった“制服組”の意識も変わってくる。

「二流、三流官庁と呼ばれた防衛庁が省に変わって、財務省や外務省と対等になる。

肩身の狭い思いをしてきた制服組や防衛関係者にとって、これは悲願でした。“これからは堂々と振る舞える”と大喜びです。実は安倍自民党が、昇格法案の成立を急いだ理由も、100万票を抱える防衛組織に恩を売り、参院選に勝ちたいためでもあるのです」(軍事ジャーナリスト・神浦元彰氏)

 安倍政権がお墨付きを与え、制服を着た軍人が街を大手を振って歩くようになる時代がまた来るのだ。

◆ 安倍の文民統制は逆効果だ ◆

「変わるのはそれだけじゃありません」と、政治評論家の森田実氏が言う。

「防衛省になったのとセットで、自衛隊法が改正され、自衛隊の海外派兵が本来任務になった。これはすべて米国ブッシュ政権の要求です。従って、これからの自衛隊はどんどん米軍の一部となって米軍の命令で動くことになる。大臣や制服組は憲法や国内法なんて無視して、勝手に動く。予算の肥大化や兵器購入もやりたい放題でしょう。

それに文句をつけようとすれば、戦前の日本軍が『天皇』を錦の御旗にしたように、米軍との同盟や軍事秘密を盾に突っぱねてくる。自衛隊はさらに議会や国民の目が行き届かない存在になりますよ」

 軍事予算が独立して膨張し、勝手に使われ、その分、福祉予算が削られる。日本の会計検査院の手が届かなくなる日も近い。まさに戦前の軍部独走の前夜を見るようなものだ。

 何の批判もできず、軍事拡大法に手を貸し、素通りさせてきた大マスコミは今になって、「省に昇格するからといって、自衛隊に対する文民統制(シビリアンコントロール)にいささかも揺るぎがあってはならない」なんて警告しているが、それも絵に描いたモチだ。それこそ戦前並みに、軍人が防衛大臣になって、文民統制など目でなくなる。

「自衛隊の最高指揮官としての権限は、引き続き首相が持つ。しかし、その首相が戦争大好きのブッシュと一緒になってイケイケの安倍だから、文民統制も何もあったものではありません。夏の参院選に勝たせて続投させてしまったら、この国は間違いなく戦前の1930年代にタイムスリップしていきますよ」(森田実氏=前出) 当然、国民生活も激変だ。