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美しい国のこの醜悪な現実

日刊ゲンダイ

再掲載日:2007.2.1


─ Dailymail Businessより ─────────

■ 美しい国のこの醜悪な現実
■ やめてもらいたい嘘八百。
■ 安倍首相自身の周辺にも暴力団と怪しい疑惑の事件もある
■ 昭和の妖怪を筆頭にこの国では悪い奴ほど栄えてきた
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すべてが偽装。不二家にはネズミ485匹で、何が世界の人々が憧れと尊敬を抱く国を目指すことができるのか

美辞麗句とお題目をズラズラ並べた施政方針演説を聞いていて、いよいよこの国の戦前逆戻りムードに絶望的な気分になってきたマトモな庶民
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 安倍首相は「世界の人々が憧れと尊敬を抱き、子供たちの世代が自信と誇りを持つことができる『美しい国、日本』を目指す」(施政方針演説=26日)そうだ。

 これを聞いた多くの国民が強烈な違和感を覚えたのではないか。首相は「美しい国」を連発して、力んでいるが、世の中、醜悪なことだらけだ。

 不二家の埼玉工場では3年半に485匹ものネズミが捕獲されていたのに、消費者は知らなかった。急成長のアパホテルで耐震偽装が見つかった。テレビの健康番組は大ウソで、三菱東京UFJ銀は業務停止処分を食らう。理由は詐欺事件への関与である。日興コーディアルは不正決算で社長、会長のクビが飛び、上場廃止がささやかれ
ている。

 イジメ、自殺は日常茶飯事。人がうらやむような裕福な家庭でのバラバラ殺人も相次いだ。 

 政治での対応が急務なのに、多くの政治家、閣僚が家賃タダの議員会館に巨額の事務所費を計上していた。しかも、「説明の必要がないカネだ」と居直っている。

 ヒドイ国だ。モラルゼロだ。暗澹たる惨状なのに、トップは「美しい国づくり」とか絵空事を並べている。白々しい戯言はいい加減にして欲しいのだ。

◆ ちゃんちゃらおかしい「美しい国」づくり ◆

 安倍は施政方針演説で、「政治とカネ」の問題にはほとんど触れなかった。「政治資金制度のあり方について議論されることを期待します」と言っただけだ。

 政治が腐っているのが根本なのに、それにはフタをし、美辞麗句を並べたてて、国民に幻想を抱かせようとする。この国はすべてが偽装国家だ。

「本来であれば、施政方針演説の一番最初に『政治とカネ』の問題を取り上げるべきだったと思います。支持率が下がってきたのは、相次ぐスキャンダルと『政治とカネ』の問題が絡み、首相の任命責任やリーダーシップを問われているからではないですか」(政治評論家・国正武重氏)

「美しい国」を言う前に自分の襟を正すべきなのである。まして、安倍には怪しくて薄汚い過去がたくさんある。

 地元の事務所や自宅に火炎瓶が投げつけられているし、その裁判で出てきたのは、安倍の地元秘書が怪しい土地ブローカーに現金300万円を工面していた事実だ。このブローカーは300万円で満足せず、暴力団と共謀して火炎瓶事件を起こしたのである。

 その他にも豚肉関税脱税で摘発された企業との金銭癒着、アパグループの代表が副会長で、ヒューザーの小嶋進元社長も入っていた怪しい後援会「安晋会」、詐欺まがいと指摘された新興宗教団体との深い関わりも指摘された。

 こんな男が「美しい国を目指す」なんて、よく言う。ちゃんちゃらおかしいのだ。

◆ 復権後やりたい放題だった岸信介が巨悪のルーツ ◆

 この国がかくも醜悪な惨状を呈しているのは、55年から続く自民党による一党独裁のせいでもある。流れのない川はよどみ、必ずドブになる。政権交代がなかったために、この国では「悪いヤツ」ほどのさばってきた。

 その代表格が「政治は力であり、金だ」と口癖のように言い続けた“昭和の妖怪”岸信介だろう。