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簡単に悪法が
ドンドン成立する恐ろしさ

日刊ゲンダイ

掲載:2006年12月5日


─ Dailymail Businessより ───────────
■ これほど簡単に悪法がドンドン成立する恐ろしさ
■ 国会は何のためにあるのか、国会議員は安倍政権の下僕なのか、
■ この国の民主主義はすでに死んだ
■ 歴史を逆転する独裁者を支持していたら大変なことになりそう
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必ず軍隊は暴走する。防衛省に昇格して軍人が再び威張り散らす世の中にするのは何のためなのか次々悪法が成立していくのに大マスコミは傍観という戦争に突入したあの時代のような9・11選挙以後のこの国の現状とこれからに重大な危惧と懸念の声
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 年末のドサクサに紛れて、戦後の日本を根本から覆すような法案が次々に成立に向かっている。「教育基本法改正案」と「防衛庁『省』昇格法案」だ。

 教育基本法改正案は先月15日、衆院特別委で野党欠席のまま自公両党が強行採決。今週中に参院教育基本法特別委で採決され、早ければ8日にも参院本会議で成立する見通しだ。

 もうひとつの防衛省法案は、当初、政府は今国会での成立をいったん諦めていたのに、たった17時間のスピード審議で先月30日に衆院を通過。今国会で成立するのは確実で、来年1月には「防衛省」へ昇格する。政治評論家の山口朝雄氏が言う。

 「2つの法案は日本の姿を百八十度変えることになりかねない重大な法案です。本来なら国会審議が侃々諤々、激論が交わされるのはもちろん、自民党内が大モメになって当然のシロモノ。本当は反対している議員も多いはずです。なのに、安倍首相に逆らえばポストや選挙で不利になると、自民党議員は何も言えなくなってしまっている。

 議論が白熱しなければ、国民には法案のどこが問題なのか分からない。これでは国会の意味がありません」 

 それにしても、これほどヒドイ国会もないのじゃないか。復党問題なんかでゴタゴタやっている間に、一番大事な審議をロクにせず、スルスルと法案を通過させているのだから、とんでもない話だ。

◆ 法案の中身を知らされたら国民は驚愕する ◆

 国会がマトモに審議していないのだから、国民が中身を知らないのも当然だが、教育基本法改正案も防衛省法案も成立したら大変なことになる。多くの国民は、成立後に「そんな法案だったなんて知らなかった」と驚愕するはずだ。

 「現行の教育基本法は、国家統制色の強かった戦前の教育を反省して生まれたものです。『真理と正義を愛し』『個人の価値をたっとび』『勤労と責任を重んじ』と理想の教育理念が掲げられている。今度の改正案はそれを元に戻すもの。『わが国と郷土を愛する態度を養う』『公共の精神に基づき、社会の発展に寄与する態度を養う』などと、『公』を最優先した教育にしようとしている。まさに戦前の『教育勅語』の復活。あまりにもバカげています」(九大名誉教授・斎藤文男氏=憲法)

 防衛省法案にいたってはもうメチャクチャだ。国民の大半は、「防衛庁から防衛省に看板が替わるだけだろ」と思っているかもしれないが、とんでもない誤解だ。ポイントは、これまで付随的任務とされてきた「海外派遣」が本来任務に格上げされることだ。

 「海外活動の『本来任務化』によって、『専守防衛』という自衛隊の性格そのものが変わるのは必至。自衛隊は普通の軍隊になるということです。いずれは海外で米国の戦争に協力することになるでしょう。省に昇格すれば、これまでの歯止めがなくなって権限が強まるため、予算規模も組織も拡大する。軍備増強に走ることも考えられる。

 防衛省への格上げは軍事大国化を宣言するようなもの。アジア諸国は警戒し、日本はますます孤立化を深めるはずです」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)

◆ 文民統制を外れて自衛隊は暴走必至 ◆

 安倍政権は、防衛省に昇格しても「シビリアンコントロール」は守られるなんて言っているが、信じられない。