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2018年 真夏の佐渡、歴史と文化の旅

長谷寺B

青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda
2018年9月18日公開
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佐渡現地視察総合目次    

 長谷寺@   長谷寺A   長谷寺B   長谷寺C   長谷寺D


◆境内と伽藍の配置

 下は長谷寺の境内の見取り図である。長谷寺は山の傾斜地に巨大な敷地をもち、多くの伽藍が配置されている。敷地の中央に200段近くの階段があり、その左右に伽藍が配置されている。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 階段の一番上は、観音堂があり、その左側に五智堂(多宝塔)がある。五智堂のさらに左奥には奥の院がある。また観音堂から五智堂に行く途中左側に経蔵がある。

 階段中央の左側には泉慶堂がある。さらにもう少し下り、右側には本堂と庫裏がある。

 さらに階段の一番下には仁王門がある。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


◆伽藍の紹介

 長谷寺には、多くの伽藍があり、その大部分が国、県、市の有形文化財である。以下に一通り紹介する。

・長谷寺 国登録 有形文化財    

 登録種別(員数) 建造物(15棟)
 登録年月日 平成20年3月7日、平成21年8月7日
 所在地 佐渡市長谷
 所有者または管理者 長谷寺

 長谷寺は佐渡屈指の古刹で、山上の観音堂に登る参道の東側に本堂などの堂舎が並び建つ。本堂は六間間取方丈形式で、規模壮大な講堂の好例であり、その東側に建つ庫裏は木組が太く、棟高も高く、風格ある外観をもつ。いずれも茅葺であるが、現在は鉄板仮葺としている。本堂西側には不動尊を祀る護摩堂が建つ。護摩堂北側に鐘堂が接続し、鐘堂は楼門風の作りで、腰組の雲龍彫刻は秀逸である。

 さらに鐘堂から石段沿いに廻廊を登らせ、観音堂際に建つ札所へといたる。札所は2階建で2階に切子格子を組み、繊細な外観とする。また、石段奥に規模の大きな観音堂を南面させ、六角輪蔵をもつ土蔵造の経蔵をその西方に配し、さらに上方の境内最奥部に3間四方の奥の院を構える

 また、境内入口に建つ仁王門は地元大工の作とわかり、特徴的な蟇股をもつ。参道石段沿いに宝蔵や内門が建ち並び、庫裏の周囲には、寺務所のほか、中之蔵・米蔵・味噌蔵の土蔵が前庭を囲むように建ち、山腹の重厚な伽藍景観を形成している。


出典:佐渡市


・本堂 写真左手  国登録 有形文化財

 登録種別(員数) 建造物(1棟)
 登録年月日 平成20年3月7日
 所在地 佐渡市長谷
 所有者または管理者 長谷寺

 長谷寺は、大同2年(807)弘法大師による開基と伝える真言宗の古刹である。本堂は、桁行21メートル、梁間14メートルの寄棟造茅葺(鉄板仮葺)で、山腹に南面して建っている。非対称の六間取方丈形式を基本に、後列両端室を前後2室に分け、南・西面に広縁、東面に居室を設ける。後列中室に須弥壇を構え、二手先組物や蟇股を飾る。規模の壮大な講堂の好例である。建築年代については、棟札が2枚残されており、「安永6年(1777)」と記されている。


・庫裏 写真右手  国登録 有形文化財

 登録種別(員数) 建造物(1棟)
 登録年月日 平成20年3月7日
 所在地 佐渡市長谷
 所有者または管理者 長谷寺

 本堂の東方に南面して建つ入母屋造妻入茅葺(鉄板仮葺)の建物である。桁行19メートル、梁間14メートルで、西面南寄りに本堂の玄関、北寄りに2階建の奥茶の間が続く。南面奥行3間を土間とし、その奥を床上とし居室を設ける。太い軸組が、棟高の高い風格ある外観をつくっている。建築年代は本堂と同時期、1700年代後期と考えられる。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


・内門   国登録 有形文化財

 登録種別(員数) 建造物(1棟)
 登録年月日 平成21年8月7日
 所在地 佐渡市長谷
 所有者または管理者 長谷寺

 宝蔵の脇に建ち、参道と本堂の敷地を画する。江戸後期の建築で、袖塀と潜りを脇に付ける一間一戸の薬医門。本柱・控柱とも円柱。本柱控柱間の頭貫端が、本柱前方に出て、その上に木鼻付平三斗を梁行に組み、梁を支持する。背面は桁行に三斗詰組。簡素ながら、特殊な架構になっている。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


出典:佐渡市


仁王門   国登録 有形文化財

・登録種別(員数) 建造物(1棟)
・登録年月日 平成21年8月7日
・所在地 佐渡市長谷
・所有者または管理者 長谷寺

 境内南端の山麓に建つ。三間一戸八脚門で、切妻造桟瓦葺。両端間を囲い、後間に仁王像を安置し、中央の通路には扉をたてない。円柱で、禅宗様出組を詰組とし、二軒繁垂木。妻は特徴的な蟇股を使う二重虹梁蟇股。支輪等に彫物を施す。伽藍正面を画する質の高い門である。享保3年(1718)の建築で、天明元年(1781)に改修されている。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 下は仁王門の仁王像の阿吽。

 
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


つづく