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世阿弥と日蓮の足跡をたどる佐渡の旅

トキの森公園 見学所感

青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda
2018年9月18日公開
独立系メディア Media E-wave Tokyo  
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佐渡現地視察総合目次

 トキの森公園@見学  トキの森公園A所感  トキの森公園B質疑


<見学を終えての感想> 

・まず、この施設が環境省の運営管理するものではないことについて、まともな説明がなく、展示内容がお粗末でびっくりした。佐渡市の運営管理する施設でそこだけが有料で見学できるというのは後に環境省に電話で問い合わせて初めてわかったのだ。もらったパンフレットをよく読めば書いてあったのだろうが環境省は関知していないというのには驚いた。

・公的な施設、環境省が管理するところでなぜ入場料を取るのかと疑問に思った。 日本語では協力金、英語では入場料という表示は矛盾しているし、協力金=寄 付ということなら、いくらでも自由に寄付できるシステムがいい。

・なによりも、300羽を超えるトキが佐渡の空を飛ぶようになるまでの20年余の間、このプロジェクトにどれほどの税金が投じられてきたのか、どのように運営管理されているのか、といった納税者にわかりやす説明は一切なかった からである。

・日本にはすでに絶滅した動物や植物、現在、絶滅に瀕している動植物など多数あるが、なぜかトキだけがかなり別格な扱いをうけ、この20年間で数億から数十億円もの税金が投じられてきたことは間違いない。

  環境省にトキ関連の予算のこれまでの推移や内訳などを公表していないのか確認したところ、公表はしておらず、毎年総務省でまとめられる行政事業レビューをみていただくしかないという素っ気ない返事だった。
 
  ※ 上記については電話での議論の概要を別途情報提供する。

  たとえば、イリオモテヤマネコやアマミノクロウサギ、シマフクロウ・・・ これらの希少種を絶滅から守るためにどれほどの予算が向けられ、一方トキに はどれくらいつぎ込まれているのかというのは極めて重要な情報である。

・トキの餌代や飼育費などトキ保護センターの運営管理のための費用は毎年おおむね1億円がかかっており、これは国から新潟県に委託されているという。又、佐渡市には、トキの保護観察、教育普及啓発等の活動を行うNPOや公益法人(トキ支援協議会やトキファンクラブなど)の活動のために国から補助が 行われているという。

・トキの繁殖や野生復帰の実現に向けての各種の取り組みが地域の活性化につながることは決して悪いことではないが、環境省、新潟県、佐渡市などいずれも公的機関が税金で行っている事業については、その内訳や使途について明らかにし納税者に対してよりわかりやすい情報提供、還元をおこなうことが望ましい。

・今時、AVやIT技術を駆使すれば、かりに実物を間近に見れなくても、季節ごとのトキの生態や繁殖の様子、巣作りの様子などもっとヴィヴィッドに来館者に感じてもらえる工夫は出来るはずだ。そうした工夫、サービスはまったくなく、遠くのトキをやっと見るしかなかったのはいかにも残念だった。

 ちなみに、トキを含む特定野生生物保護対策費は平成29年度、30年度ともに約2億1千万円の予算となっている。その数は、平成24年度にライチョウが加わり49種の動植物が保護総辱事業を行う対象となっている。これらの中で、トキに対する費用がどの程度なのかは納税者として是非知りたいところである。

 特定野生生物の数は、平成24年度にライチョウが加わり49種となり、これらの動植物が保護増殖事業を行う対象となっている。その中で、トキに振り向けられる予算がどの程度なのかは納税者として是非知りたいところである。毎年の予算の内訳を展示室に明記した上で、国民に寄付や協力金を求めるというのが筋ではないだろうか。


つづく