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デンマーク・スウェーデン旅行記
−デンマーク編1日目−

鷹取敦

1 Aug 2010 無断禁転載
独立系メディア「今日のコラム」


■1日目

●成田からコペンハーゲンへ

 7月の最終週、夏期休暇でデンマーク、スウェーデンを訪れた。春にはアイスランドの火山の影響で欧州の空路に大きな影響があり、4月にはコペンハーゲン空港も一時閉鎖されていた。当時は影響の長期化が心配されていたが、結果として短期間の影響で収束したようだ。

 7月25日(日)の11時40分成田発のスカンジナビア航空A330で、コペンハーゲン空港(カストラップ空港)に現地時間16時頃に着陸した。コペンハーゲン空港はヨーロッパのハブ空港の1つであり3本の滑走路(3600m、3300m、3070m)、3つのターミナルを要する。筆者の乗ったSK984便のほとんどの乗客が別便への乗り換え、コペンハーゲンの入国審査の列には文字通り数人しか並んでいなかった。入国審査では質問もなくパスポートを確認しただけの簡単なもので数秒で終了した。スウェーデンからの帰国時もこの空港で乗り継ぎ成田に向かった。

A330

コペンハーゲン空港

 なお、持参した BlackBerry は、ドコモから現地のキャリア TDC MOBIL に自動的に切り替わっていた。
BlackBerry Bold 9000

●空港からコペンハーゲン中央駅へ

コペンハーゲン空港出口

 空港から出たら同じビル内でコペンハーゲン中央駅に向かう電車のチケットを購入しエスカレータを降りてプラットホームに向かった。

コペンハーゲン中央駅

 電車の中に表示されている路線図をみても分かるようにデンマークはシェラン島、フュン島とドイツに繋がるユトランド半島と数多くの島から構成されている。(海外領土にグリーンランド等の自治領もある)首都であるコペンハーゲンはスウェーデンに隣接している。2つの島、半島およびスウェーデンのマルメ(スウェーデン第3の都市)は橋で繋がっており電車で簡単に行き来ができる。空港からコペンハーゲン中央駅は15分ほどと近い。

車内の路線図

 駅についたらボタンを押して車両のドアを開ける。日本でも寒冷地ではそのようになっているが同じ方法である。電車の車両には喫煙・自転車・ベビーカー・車椅子・犬のマークがありそれぞれ可否が分かるようになっている。写真の車両は喫煙のみ不可であとは可となっている。

ドアボタン

禁煙・自転車等のマーク

●自転車に優しい都市

 コペンハーゲンもストックホルムも自転車が非常に使いやすい都市である。電車に自転車を持ち込むのは一般的であり、駅では自転車を押している人をよくみかけた。自転車を電車に持ち込めるだけでなく、駅のプラットホームから自転車置き場に直接出入りする階段があり、駅舎を通らずに出入りすることが出来る。なお、駅には改札が無く、駅舎を通らなくてもなんの不都合もない。不正乗車は検札と罰金で対応しているようである。


コペンハーゲン中央駅・右階段は自転車置き場へ

コペンハーゲン中央駅

コペンハーゲン中央駅

 ほとんどの道路には自転車レーンがあり、自転車は自動車をおそれることなく、また歩行者に迷惑をかけることなく、快適に高速に走行することが出来る。また、街中には多くの場所に自転車を停めておく場所がある。ホテルには宿泊客が無償で借りられる自転車が設置されており、観光目的で借りられる無料自転車(20クローネ=約300円のデポジット)が市内100カ所以上の無人ステーションに設置されている。

駅前道路の自転車レーン

ホテルのレンタル自転車

オーデンセ駅ホーム

●チボリ公園

 コペンハーゲン中央駅を出ると道路を挟んだすぐ目の前にチボリ公園がある。チボリ公園といえば日本では倉敷駅前に建設されたもののわずか11年で閉鎖された倉敷チボリ公園が有名であるが、本家コペンハーゲンのチボリ公園は1843年に建設され160年以上の歴史がある世界で一番古い遊園地である。

中央駅からチボリ公園

 チボリ公園には到着した当日の20時過ぎに訪れた。緯度が高く夏は日が長いので20時ではまだまだ昼間の明るさである。チボリ公園では入園料(平日大人95クローネ=約1400円)があり、いわゆる「乗り物」があるが、印象としてはまさに「公園」である。広場、庭園、散策路、レストランも多く、親子連れ、大人も多く訪れていた。夏の長い一日のひとときをのんびり過ごす公園といった風情である。ちなみに筆者が訪れた時期の最高気温は20〜25度程度で上着がないと寒い日もあるくらいの温度であり屋外で快適に過ごせる季節だった。チボリ公園を出た22時頃にようやく夕方となった。

チボリ公園

チボリ公園

チボリ公園

チボリ公園

チボリ公園

チボリ公園正門

 「遊園地」というとディズニーランドに象徴される非日常を演出する場であるが、チボリ公園はデンマークの文化・日常生活の延長線上にあるものだと感じた。これをそのまま日本に持ってきて「非日常」の「遊園地」として運営した倉敷チボリ公園がうまくいかないのは道理であると感じた。ハードウェアの施設としての本家チボリ公園と倉敷チボリ公園には大きな違いがあるとは思わなかったが、ソフト、理念の面において大きな違いがあったということである。

●ストロイエ通りからニューハウン

 時間は前後するが、空港から中央駅に着いたあと、ホテルにチェックインし、その後、市内を散策した。写真は左奥がチボリ公園の入り口、右手前の大きな郵便ポストのような円筒の建物が有料トイレである。このようなタイプの有料トイレは時々みかけた。

チボリ公園正面・有料トイレ

 市庁舎前の広場を左折し、世界初の歩行者天国として知られるストロイエ通りを通り、アマガー広場、ニューハウン(新港という意味、観光地としても有名な港町)に向かった。この間はずっと自動車の通行が無く歩行者がのんびりと歩け、路上では音楽の演奏やストリートパフォーマンスをみかけた。


中央:パレスホテル、右:コペンハーゲン市庁舎

ストロイエ通り

ストロイエ通りの路上演奏

アマガー広場

 王立劇場の横にあるコンゲンス・ニュートウ広場には、テント屋根仮設店舗で、お菓子、果物、クレープ、飲み物からカバン等のマーケットがあり、大勢の人で賑わっていた。ここでヌガーとクレープとコーヒーを買って軽食を取り、隣接するニューハウンを歩いた。ニューハウンは海に向かって左側の岸に多くのレストラン、カフェ等があり、店外のテーブルは大勢の客がのんびりと食事をしていた。

コンゲンス・ニュートウ広場

ニューハウン

ニューハウン

つづく