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チェコ・スロヴァキア・ハンガリー短訪

ブダペスト市街地・王宮の丘

鷹取敦

掲載月日:2019年3月11日
 独立系メディア E−wave
無断転載禁


内容目次
  1 歴史的背景
8/11-13 チェコ・プラハ 2 プラハ | 3 フラッドチャニ・プラハ城 | 4 ロレッタ教会からカレル橋
| 5 ユダヤ人地区 | 6 旧市街地
 8/13-15 スロヴァキア・ブラチスラヴァ 7 旧市街・ブラチスラヴァ城 | 8 旧市街地・ドナウ川
8/15-17ハンガリー・ブダペスト、
エステルゴム、センテンドレ
9 ブダペスト市街地・王宮の丘
10 エステルゴム・センテンドレ・ドナウ川ベンド

■ブダペスト市街地

 スロヴァキアの首都ブラチスラヴァを9:50頃に列車で出発し、ドナウ川沿いに北側からハンガリーの首都ブダペスト市内に入り、西駅に12:18頃に到着しました。

 ヨーロッパでは時々みかけますが、気軽に列車に自転車をそのまま専用車両に持ち込んで移動することができます。ブダペスト西駅でも下のようにプラットフォームで自転車をみかけました。


ブダペスト西駅 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


ブダペスト西駅 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ブダペストはドナウ川の西岸のブダ、東岸のペシュト(ペスト)、ブダの北側のオーブダ(旧ブダという意味)の3つの都市が統合された都市です。オーブダはローマ帝国属州パンノニアの州都でした。13世紀にブダがハンガリー王国の都となり城が建設されました。1849年にはブダとペシュトを結ぶ「くさり橋」が完成したのが完成、1873年に3つの街が統合されました。

 ブダペスト中心部には、ブダ側(ドナウ川の西岸側)に南駅(南側から進入する鉄道の終着駅)、ペシュト側(ドナウ川の東岸側)に西駅(北側から進入する鉄道の終着駅)と東駅(東側から進入する鉄道の終着駅)、などの主要駅があります。

 宿泊するホテルは、西駅から東南東方向、直線距離で約2.3kmの場所にある東駅の近くです。街並みを見ながら3kmあまりの距離を歩きました。


ブダペスト市内を走行するトラム 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下の写真はアンドラーシ通りの街並みの一部です。アンドラーシ通りはエルジェーベト広場から北東の英雄広場までまっすぐに伸びている大通りです。1872年に首相デューラ・アンドラーシによって作られました。アンドラーシ通りと周辺の歴史的地区は世界遺産に登録されています。


アンドラーシ通り 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 西駅から東駅に向かう途中でアンドラーシ通りに辿り着いたところで左折してしばらく北東に歩いてからコダーイ・クルンド円形広場で右折して東駅に向かいました。円形広場は広場といっても中央でアンドラーシ通りともう1つの道路が交差し、下の4つの銅像のまわりを円形の道路が取り囲んでいるので、人が集うような広場ではありません。

 下は円形広場のそれぞれの角にある銅像です。左上が北の角のバラッシ・バーリント(1554〜1594年、ハンガリー・ルネサンス期の詩人、トランシルヴァニアにおけるハンガリー独立戦争に生涯を捧げた)、右上が東の角のニコラ・シュビッチ・ズリンスキ(1508〜1566年、ハプスブルク家に仕えオスマン帝国と戦ったクロアチアの将軍、クロアチアとハンガリーの国民的英雄)、左下が西の角のソンディ・ジョルジュ(1504〜1552年、ドレーゲイ城の長、英雄、勇気ある態度が敵オスマン帝国からも認められた)、右下が南の角のJanos Bottyan(1643〜1709年、ハンガリーの反ハプスブルク軍の将軍。それ以前にハプスブルク軍としてオスマン帝国と戦った時代に片目を失った)の像です。


コダーイ・クルンド円形広場の銅像 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 円形広場から南東方向に進むと、アーサー・ケストラー(1905〜1983年)の像(下の写真)がありました。ケストラーはブダペスト生まれのユダヤ系ジャーナリスト、小説家、政治活動家、哲学者です。


アーサー・ケストラー像 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ブダペスト東駅に近づきました。駅に面したテョキョリ通りは大通りで車通り、人通りも多く賑わっているのですが、大通りから1ブロック裏に入った、大通りに平行した通りは下の写真のように人はいるものの、大通りの明るさとは対照的な雰囲気でした。地元の方の生活道路という感じです。


ブダペスト東駅近くの通り 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下の3枚はブダペスト東駅の駅舎の外と構内の様子です。こじんまりとしていたスロヴァキアのブラチスラヴァ中央駅と比べて大きく立派な建築物です。ブダペスト東駅はブダペスト最大のターミナル駅です。


ブダペスト東駅駅舎の側面(北西側) 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


ブダペスト東駅駅舎の正面(南西側) 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


ブダペスト東駅構内 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ここまで書いたところで夏以降時間がとれず2019年の7月になってしまいました。ここからは主要地点の写真を掲載し、後で拡充する機会があれば拡充していきたいと思います。

 聖イシュトバーン大聖堂は、ドナウ川東岸(ペスト)にあるブダペスト随一の大聖堂です。1851年から1905年までの約50年をかけて建築されました。中央の塔に登って市内を一望しました。礼拝堂や展示をみることが出来ました。有名な聖イシュトバーンの右手のミイラの展示もありますが、これは時間がなくて見ることが出来ませんでした。


聖イシュトバーン大聖堂 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


聖イシュトバーン大聖堂の礼拝堂 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 大聖堂の前の広場では民族舞踊で盛り上がっていました。上空をみるとドローンで撮影をしています。踊りを囲む観衆をみながら遅い昼食をとりました。


聖イシュトバーン大聖堂の前の広場 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ドナウ川にかかっている有名な「くさり橋」を見に行ってから、予約してあったハンガリー民族舞踊を見に行きました。第1部7演目、第2部8演目あり、踊りや演奏などがあります。20時頃にはじまり22時前に終演です。


くさり橋 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

■王宮の丘

 翌朝はドナウ川西岸(ブダ)にある王宮の丘に向かいました。地下鉄で丘の北側の駅まで行き、そこから徒歩で丘を登っていき、ウィーン門から入場します。オスマン帝国からの解放250年を記念して1936年に造られたものです。


ウィーン門 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 下の写真はマーリア・マグドルナ塔です。13世紀に建てられたもので第二次世界大戦で破壊され塔だけが残っています。オスマン帝国支配時代も最後までキリスト教会として残っていましたが、最終的にはモスクに変えられた歴史があります。


マーリア・マグドルナ塔 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 王宮の丘の中央に三位一体広場があります。広場に面してマーチャーシュ教会(下の写真の左側)が建っています。広場の中心にある三位一体の像(下の写真の中央)はペストの猛威の終焉を記念して建てられたものです。


三位一体広場にあるマーチャーシュ教会 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 13世紀半ばに建てられたマーチャーシュ教会はブダペスト最大の見所の1つです。オスマン帝国統治下ではモスクに改装されています。

 見学コースには国会議事堂に展示されている聖イシュトバーンの王冠のレプリカも展示されています。


マーチャーシュ教会の礼拝堂 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 広場の東側(ドナウ川側)に聖イシュトバーンの騎馬像が建っています。その背後に見えるのが漁夫の砦です。戦争のために作られた砦ではなく、町の景観の一貫として建設されました。かつてこのあたりを漁夫が守っていたこと、魚市場が立っていたことなどから漁夫の砦と呼ばれています。


聖イシュトバーンの騎馬像と漁夫の砦 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 メインストリートの裏手の分かりにくい場所に王宮地下迷宮の入口があります。ワインセラー、祈りの場、監獄、第二次世界大戦中には地下住居、軍事施設などにも利用されました。写真撮影は出来ませんが見学しました。


地下迷宮の入口 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 王宮の丘の南側には国立美術館やブダペスト歴史博物館などがあります。一部の建物は外装を修理中でした。歴史博物館に入りました。広い建物の中で迷子になりそうですが、展示物だけでなく建物の一部の古い遺跡?等も見学することができました。


ブダペスト歴史博物館 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


ブダペスト歴史博物館の地下の遺跡 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 歴史博物館から出た後、南側から城壁の外に出て、王宮の庭を通ってドナウ川の方に北に向かって降りていきます。下の写真は王宮の庭付近です。奥にドナウ川が見えます。


王宮の庭 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ドナウ川沿いまで降りると川に平行にトラムが走っています。


トラム 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 王宮の丘の東側中央にあるくさり橋まで戻ってきました。橋を対岸のペストに歩いて渡ります。


くさり橋 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 くさり橋から北側対岸に国会議事堂が見えます。今回は国会議事堂を訪れることは出来ませんでした。国会議事堂は1902年に完成しました。聖イシュトバーンの王冠の実物が展示されています。


国会議事堂 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 くさり橋を渡って少し南東に行ったところに大きなシナゴーグがあります。1859年にに完成したヨーロッパ最大のシナゴーグです。ユダヤ教の会堂であるだけでなく、ユダヤ民族の歴史、芸術、宗教に関する展示やホロコーストに関する写真等の展示もあります。

■ブダペスト市街地


シナゴーグ 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 各国語の案内による見学ツアーがあり英語ツアーに参加しました。礼拝(?)の時は男性は1階、女性は2階と決まっていますが、見学者は男女ともに1階に入ることができます。男性の見学者はユダヤ人男性が被る帽子(キッパ)の紙で出来たものを配布され被って見学します。

 下の写真を見るとキリスト教会によく似た構造になっています。これはシナゴーグがキリスト教の教会の前身であるからというわけではなく、ヨーロッパのキリスト教社会に受け入れられやすいよう似たような構造にしたのだそうです。


シナゴーグ 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ちなみに、いわばユダヤ教の分派であるキリスト教は、ギリシャ語を話すローマ市民権を持ったユダヤ人であるパウロなどによってヨーロッパに広がっていたユダヤ人を中心に広がっていきました。当時はユダヤ教でありシナゴーグを通じて広まってったということになります。キリスト教として確立する過程において、ユダヤ人以外をどう受け入れていくか、ユダヤ人に課せられた義務を非ユダヤ人にも課すべきかどうかという議論がありました。

 次にハンガリー国立博物館に移動します。博物館の敷地内は工事中でしたが、内部の見学は出来ました。国立博物館は1847年に完成したハンガリー最大の博物館です。建国以前からのハンガリーの歴史がわかる展示を年代順に見ることができます。また博物館前広場は1848年の市民蜂起の舞台となった場所でもあります。


ハンガリー国立博物館 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

 ブダペスト中央市場です。1890年に建てられたブダペストで最大の常設市場です。


ブダペスト中央市場 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900


ブダペスト中央市場 撮影:鷹取敦 Nikon COOLPIX S9900

つづく