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Super HIWAYとは
道路通常部、盛土、切土、インターチェンジ部、トンネル、堀割、換気塔等の自動車から排出される大気汚染の短期・長期平均予測を環境アセスメントや総量規制の標準モデルを用いて効率的に行えます。
車種別交通量、各種道路構造、遮音壁、縦断勾配、速度を考慮した想定年次別の排出係数、沿道条件(JEAモデル)等、複雑な要因を考慮した予測、対策検討を行います。
平面図を画像で画面に表示してマウスで簡単にデータを作成し、平面予測、沿道の両側断面予測、複数の指定した地点の予測が出来ます。
Super SPLINE/GISで作成した地形による回折減衰、地表面効果、予測点高さを考慮した計算も行えます。
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予測モデルの概要
環境アセスメントでは以下の指針(マニュアル)等に掲載されている大気拡散予測モデルが用いられています。
Super HIWAYではこれらや関連するその他のマニュアルに掲載されているモデルを組み合わせて活用できます。
■道路環境影響評価の技術手法(平成24年度版等)
- 道路事業の環境アセスメントのためのマニュアルで、大気汚染については、道路通常部、盛土、切土、遮音壁、インターチェンジ部、トンネル抗口、堀割部、換気塔、建設工事等の計算方法を示しています。
- Super HIWAYではこのうち建設工事以外に対応しています。(建設工事は Super AIRにて対応)
■窒素酸化物総量規制マニュアル[新版]
- 窒素酸化物総量規制のためのマニュアルです。
- 掲載されているJEA修正モデルは窒素酸化物総量規制の他、自動車公害防止計画などの広域予測でも用いられます。環境アセスメントで用いられることもあります。
- NOx年平均→NO2年平均変換式である指数近似モデルI式も掲載されています。
- SRI(Stanford Reserach Institute、ストリートキャニオン)モデル、EPA HIWAYモデルなど参考モデルにも対応しています。
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■予測対象時間
- 1時間平均濃度
- 1時間交通量と、特定の風向、風速(無風を含む)を(モデルによっては大気安定度も)考慮した予測です。
- 実務で直接的に用いられることは少ないのですが、予測モデルの理解のためには有用です。
- 長期平均濃度(年平均濃度等)
- 1時間交通量×24時間と、一定の期間(1年間)の気象条件の出現頻度を考慮した予測です。
- 固定発生源(点煙源)と異なり、点煙源を線上に連続して設定して計算するために固定発生源のような不自然なコンターにならないことから、1時間平均濃度予測と同じ式が用いられています。
- 環境アセスメントでは一般的に年間値(年平均値、年間98%値、年間2%除外値)の予測を行います。
- 窒素酸化物や浮遊粒子状物質のように環境基準が年平均値で定められていない項目は、環境基準に応じて年平均値から日平均値の年間98%値や2%除外値に変換して評価します。
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大気汚染予測で考慮される要素
Super HIWAYによる大気汚染予測では主に以下の要素が考慮され、わかりやすい操作で設定できます。
■対象物質
環境アセスメントで対象とする一般的な以下の項目を対象としています。
- 窒素酸化物(NOx)(二酸化窒素(NO2)に換算)
- 浮遊粒子状物質(SPM)
- 硫黄酸化物(SOx、SO2)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、塩化水素(HCl)
■点煙源の座標
- 道路リンク(両車線の中心か車線の中心)と予測点の距離に応じて最適化した間隔で点煙源が自動的に配置されます。
- 点煙源のZ座標は地形※からの高さか、縦断勾配図の計画高か選択できます。
※地形はSuper SPLINE/GIS(別売)により国土地理院の基盤地Super SPLINE/GISから簡単に作成できます。
■排出係数
- 走行距離1kmあたりの大気汚染排出量です。
- 「道路環境影響評価の技術手法」(平成24年度版)掲載式でを車速別の排出係数を簡単に全道路リンク、全時間帯に簡単に設定できます。
- 対象年は将来(2030年)の他、中間年(2010年、2015年、2020年、2025年)も選択できます。
- 勾配補正、インターチェンジ補正(加速、減速、勾配考慮)も自動的に行えます。(勾配補正は「道路環境影響評価の技術手法」(2007、平24年度版))
- 任意の排出係数の設定もできます。
■風向・風速・大気安定度
- 環境アセスメントで用いられている有風時のプルーム式、無風時のパフ式では、大気汚染の濃度が煙源からの距離(有風時は風下方向への距離)および、鉛直方向、水平方向の距離および大気安定度等に応じた濃度分布を実験的に求められた拡散幅として表現しています。
- 予測式では煙源と予測点の位置関係と風向の関係、風速が考慮されます。(JEAモデルでは大気安定度も考慮されます)
■気象データ
- 拡散計算、大気安定度分類では風向、風速、日射量、放射収支量、雲量等が用いられます。
- これらの観測値(1時間値)のテキストデータ、CSVファイル等から気象条件毎に集計された気象データファイルが長期平均(年平均)予測に用いられます。
- 観測値は気象庁のサイトからアメダスのデータをCSVファイルとしてダウンロードしたものを直接読み込むこともできます。
- 気象条件の出現頻度はモデルにより以下の2通りの方法で集計されます。
- 風向(16風向+静穏)×24時間別の出現頻度と平均風速
- 風向(16風向+静穏)×24時間×大気安定度別の出現頻度と平均風速
■大気安定度分類
- JEAモデルでは大気安定度が考慮されます。大気安定度は直接観測値として入手できないため、風速、日射量、放射収支量等から次の組み合わせにより分類します。
- 「有害大気汚染物質に係る発生源周辺における環境影響予測手法マニュアル−低煙源工場拡散モデル:METI-LIS」の方法
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■べき指数
- 風速は地上から離れるほど強くなります。高さによる風速の違いはべき法則(べき乗則)で表現します。べき法則の係数(べき指数)は地表面の状況や大気安定度によって異なります。
- 大気汚染予測時には風向・風速設定高さ(観測高さ)から煙源高さにべき法則による風速変換が行われます。
■トンネル抗口:トンネル内走行車両からの寄与
- 噴流モデルと等価排出強度モデルにより予測した結果を合成します。
- 噴流モデル:トンネル抗口に配置した煙源から計算
- 等価排出強度モデル:明かり部の煙源から計算(トンネルの外の自然風とトンネル風を合成したベクトル合成値を用います)
- 自然風とトンネル風を合成した風向・風速が1時間毎に異なるため全風向×24時間全てについて拡散計算を行う必要があります。(トンネル坑口がない場合には拡散計算は排出量に単純に比例するので1時間分の拡散計算を行い他の時間は排出量比を用いることができるのでSuper
HIWAYではこの性質を利用して計算時間を短縮しています。)
■堀割部:蓋かけ・開口区間のある堀割部からの影響
- 開口部からの排出が平衡状態に達している場合は切土の方法で計算
- 平衡状態に達していない場合は呼吸量モデルで車道内濃度を計算し開口部の点煙源の排出量を計算
■換気塔:換気塔からの影響
- 高さ、幅、頭頂部内径、吐出速度等からBriggsの式により排気上昇高を求め、Huberの式による拡散幅を用いて計算。
■地形
- 地形によって煙源の高さを考慮できます。
- 平面コンターを計算する時、予測点は地形の高さ+設定した予測高さとして計算します。
- 煙源の高さは地形の高さ+設定した煙源高さとすることもできます。
※環境アセスメントのモデルは平坦地形を前提とした解析解モデルであり、地形、構造物などが風の流れ、大気の拡散に与える影響を考慮することができません。これらの場合は、数値解析モデルを用いた3次元流体モデル予測調査(委託調査)をご利用ください。
■濃度変換(NOx→NO2、
年平均→年間98%値、2%除外値)
- NO2の環境基準は日平均値で、年間の評価は日平均値の年間98%値を用います。そのためNOx年平均→NO2年平均→NO2年間98%値と順に変換を行います。
- SPMの評価も同様に日平均値の年間2%除外値で行うため年平均値→年間2%除外値と変換を行います。
- 変換の方法としては、「道路環境影響評価の技術手法」(当初版、2007年度版、平成24年度版)に掲載された方法と、統計モデルを用いることができます。
- NOx年平均→NO2年平均については、「窒素酸化物総量規制マニュアル[新版]」に掲載された指数近似モデルI式にも対応しています。
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便利な諸機能
以下は Super HIWAY特有の機能です。他に共通仕様に示すものがあります。
■道路リンクの複製
■道路リンクの平行移動
- 道路リンクの平行移動
- NOISE(H)で作成した車線毎のデータを活用し、上下車線中心部に煙源をおいたデータを作成する場合、1車線の道路リンクを削除し、もう1車線の道路リンクを平行移動すると大気汚染予測用のデータが簡単に作成できます。
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■排出係数の一括指定
- 全道路・全時間帯に、車速に対応した車種別排出係数(道路環境影響評価の技術手法(平成24年度版))を一括して入力できます。
- 将来(2030年)だけでなく中間年(2010年、2015年、2020年、2025年)も選択できます。
■気象条件毎の濃度一覧出力
- 年平均計算時、1地点における気象条件毎の濃度の一覧をCSVファイルに出力できます。
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予測結果表示
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東京23区 濃度による3次元表示
「東京特別区における窒素酸化物・浮遊粒子状物質
高濃度汚染地域解析調査」(環境総合研究所自主研究)より

東京23区 24時間交通量による色分け表示

濃度勾配グラフの例

任意の視点からの景観3次元表示

任意の視点からの平面予測結果3次元表示 |
応用分野の例
- 道路事業における大気汚染予測(環境アセスメント)
- 建設工事における大気汚染予測(環境アセスメント)
- 商業・業務施設開発事業計画、廃棄物処理施設計画に伴う建設工事時、供用時の道路交通騒音予測(環境アセスメント)
- 自動車公害防止計画等道路交通政策のための基礎調査、予測、対策効果検討
- 交通量・濃度実測調査に基づく現況の自動車排ガス大気汚染分布把握調査
- 交通規制、交通管理等における環境配慮のための基礎調査
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■お問い合わせ先■
株式会社 環境総合研究所
〒152-0033 東京都目黒区大岡山1-31-9-401 TEL 03-6421-4610 FAX 03-6421-4611
連絡先メールアドレス:office@eritokyo.jp(担当:鷹取)
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