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独メディア、ゼレンスキーの
「秘密の取引」に光を当てる

German media sheds light on Zelensky’s ‘secret deals’
Die Welt publishes an excerpt from a new
biography which describes alleged cases
of corruption involving Ukraine’s president

RT War in Ukraine- #1256 8 August 2022


翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年8月9日



ウクライナ大統領の汚職疑惑を描いた新しい伝記からの抜粋をDie Weltが掲載。ドイツメディアはゼレンスキーの「秘密の取引」に光を当てている。Volodymyr Zelensky © Ukrainian Presidency / Handout / Anadolu Agency via Getty Images

本文

 ドイツの新聞世界(Die Welt)は、ウラジーミル・ゼレンスキー大統領が国内で脱税していた可能性を示唆する新著の抜粋を掲載し、ウクライナの「秘密の取引」に疑いの目を向けた。

 同紙は、「ゼレンスキー伝」の一部を引用。ウクライナの指導者が関与した汚職疑惑の事例を扱った「伝記(A Biography)」の一部を引用している。

 それによると、2019年にゼレンスキーはキプロスにオフショア口座を持つことが判明し、スレイドストボ・インフォ(Slidstvo.info)の調査により、元コメディアンが英領バージン諸島とベリーズに会社を所有し、ロンドン中心部に750万ドル相当のアパートを所有する「これまで知られていなかった」マルテックス・マルチキャピタル株式会社を含むことが判明したという。

 また、同法人は2012年以降、ウクライナのオリガルヒであるイゴール・コロモイスキーから総額4000万ドルを受け取ったとされる。ゼレンスキーは、2019年の大統領選の直前にこの会社の株式を親しい友人に譲渡し、当選に至ったようだ。

 このスキームの背景にある目的は明らかではなかったが、ウクライナの調査ジャーナリストは当時、ゼレンスキーが自国での税金逃れに利用したのではないか、あるいはコロモイスキーのマネーロンダリングに参加したのではないかと推測している。

 また、抜粋によると、パンドラ文書で明らかになったゼレンスキー容疑者の怪しげな取引を中心とした「オフショア95」というドキュメンタリー映画の放映が、昨年10月にキエフで直前になって中止された。映画館の支配人が、ウクライナの治安機関であるSBUから電話を受けたようだと、ウクライナのメディアを引用して抄訳している。その日のうちに上映が行われたのは、世論の反発のおかげであったという。

 当初はスレイドストボ・インフォの質問に答えることを拒否していたものの、ゼレンスキー氏の事務所は2021年10月、「ヤヌコビッチ時代」(ヴィクトル・ヤヌコビッチ元大統領を指す)に「誰もが自分のビジネスを海外、特にテレビ業界に移転した」と説明している。

 また、ゼレンスキー氏は、当時、税務当局が「ほぼ毎日」自分の取引を調べていたと主張し、「違反は見つからなかった」とほのめかした。また、マネーロンダリングへの関与も激しく否定したが、実際に納税を常に行っていたかどうかという質問には、かわされた。

 しかし、スレイドストボ・インフォの記者は、大統領の返答に納得がいかなかったようで、翌日、このオフショア法人の存在自体が、ゼレンスキーが「自分のビジネスを築いた国、自分が責任を持っている国を信用していない」ことを示唆している、と指摘した。

 「何かを隠したい、その理由があるのではないか」と。

 同書によると、10月27日、ウクライナの汚職防止国家機関が、ゼレンスキーの事業活動に関する調査を実施し、違法なものはなかったと発表した。