エントランスへはここをクリック   

マクロン大統領、EU首相を
「極右の反ユダヤ主義者」と呼ぶ
フランスとポーランド指導者は、イデオロギー的
かつ個人的な諍いに巻き込まれている

Macron calls EU premier ‘extreme right anti-Semite’
The leaders of France and Poland are locked
in an ideological and personal quarre
l
RT War in Ukraine -#461 April 8, 2022

ロシア語翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授)

 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年4月9日

フランスのブローニュ・ビヤンクールで、フランスのテレビ局TF1のインタビューに応じるエマニュエル・マクロン氏(2022年4月6日撮影)© AP/ Ludovic Marin

本文

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ポーランドのマテウシュ・モラヴィエツキ首相を 「LGBTを禁止する極右の反ユダヤ主義者」と称した。

 EUがモスクワに対して統一戦線を示すよう努める中、モラヴィエツキは、ロシアがウクライナで軍事作戦を展開する中、ロシアのプーチン大統領と対話を続けているマクロンを批判し、右派のライバル、マリーヌ・ルペンを公然と支持してきた。

 金曜日に掲載されたル・パリジャン紙(Le Parisien)のインタビューで、マクロンはポーランド首相を 「LGBTを禁止する極右の反ユダヤ主義者」と罵倒している。

 マクロンは、モラヴィエツキ氏の政党「法と正義」が「LGBTイデオロギー」を公然と批判し、ポーランドが非難され、EUから資金援助を剥奪されたことに言及したと思われる。

 「彼はマリーヌ・ルペンを支持しており、何度か接待を受けている。」とマクロンは続けた。「甘い考えは捨てましょう、彼は選挙前に彼女を助けたいのです!」

 フランス大統領によると、モラヴィエツキはルペンの盟友であり、2人は何度も会っているという。右派政党「国民連合」のルペン氏は、今週末に行われるフランス大統領選の第1回投票でマクロン氏と対決する。木曜日に行われた衝撃的な世論調査では、第2ラウンドの仮想対決で彼女が大統領に1%ポイント差をつけており、マクロン大統領の勝利は最近まで確定的と考えられていた。

 ルペンは、有権者がマクロンを非難している燃料費の上昇によって、世論調査で助けられたと思われる。大統領もまた、ロシアに対する姿勢で窮地に立たされている。一方では、ルペンをプーチンとの癒着に見せかけ、他方では、ウクライナ紛争をめぐってロシア指導者と頻繁に電話会談する自らの政策を擁護する必要に迫られているのだ。

 モラヴィエツキ大統領とポーランドのドゥダ大統領は、このような行動に対して最も大きな批判を浴びせている。「マクロン大統領、あなたはプーチンと何回交渉し、何を達成したのですか」と、モラヴィエツキは今週初めに述べた。「犯罪者と交渉すべきではない...誰もヒトラーと交渉していない。

 「ロシアとの対話は意味がない」、ドゥダは数日後CNNに語った。「ウラジーミル・プーチンには非常に厳しい条件を提示しなければならない。この条件を満たさない限り、話すことは何もない」と言わなければならない。

 マクロンはプーチンとの会話を擁護し、「ロシアが我々の大陸の平和の偉大な建築に関与しないならば、永続的な平和はありえない」と述べている。マクロンは、ロシアのウクライナへの攻勢を非難する一方で、欧米の指導者は 「ロシアという国、ロシア人を常に尊重しなければならない」と主張している。

 ル・パリジャン紙によると、モラヴィエツキがナチスを引き合いに出したことを 「知らず 」と言っている。

 マクロンとモラヴィエツキの戦いの外交的影響は現在も続いている。ポーランドの外相は金曜日、ワルシャワのフランス大使を召喚し、マクロンがル・パリジャンに行った「発言」について叱責した。

 ブリュッセルやワシントンの指導者たちは、ロシアに立ち向かう西側同盟国の結束をアピールしているが、大西洋横断同盟には亀裂も生じてきている。例えばハンガリーは、ロシアのガスの購入を継続し、プーチンの要求通りルーブルで支払うと表明している。また、ポーランドは、ロシアの輸入ガスへの依存度が高いドイツが、モスクワへの制裁強化の邪魔をしていると非難している。