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RT独占 ロシア外務省
ドイツはウクライナで
「軍事生物活動」に関与

ロシア外務省報道官、マリア・ザハロワ氏は、
ベルリンは生物防御に関する作業を米国の
同盟国と協調して機能した、とRTに語った。

Russia:Berlin coordinated its work on
biodefense with its US allies, Russian
Foreign Ministry spokesperson Maria Zakharova told

RT War in Ukraine -#569 April 15 2022

翻訳:池田こみち(E-wave Tokyo共同代表)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年4月17日
<写真:マリア・ザハロワ報道局長官>
Director of the Foreign Ministry Information and Press Department
Maria Zakharova © RIA Novosti


本文

■マリア・ザハロワ外務省情報報道局長に聞く

質問:ウクライナでの特別軍事作戦で、ロシア軍がウクライナでの軍事生物学的活動に関する新しい文書を発見したことが知られるようになりました。このことについて、もう少し詳しく話していただけますか?

マリア・ザハロワ:

 ウクライナ特別軍事作戦(SMO)の結果、ロシア軍は、米国国防省がウクライナで実施した生物軍事プログラムに光を当てる文書を発見しました。このプログラムの研究者は、ウクライナとロシアの両方で自然界に存在することに焦点を当てた最も危険な病原体、つまり生物兵器のための潜在的な生物学的病原体を研究していたのです。

 また、これらの病原体をもとにした伝染病の広がり方についても研究していました。このような規模から、アメリカの軍事計画に関する情報のかなりの部分が、そしておそらく最も重要な部分が、国際社会から隠されたままであることは明らかです。

 2022年3月9日、米国上院外交委員会の公聴会で、ビクトリア・ヌーランド国務次官(政治担当)は、ウクライナのバイオ研究所からロシア軍への一部の研究材料の移送を阻止しようとワシントンが努力していると発言しました。

 3月7日、10日、17日、24日、31日のプレスブリーフィングで、ロシア軍放射線・化学・生物防御部隊のイゴール・キリロフ長官は、ロシア軍によるウクライナでのSMOで得られた情報に基づき、ウクライナにおける米国のバイオ軍事活動について説明し、また、専門家の分析に基づく結論も示しました。研究者たちは、これらの資料の研究を続けています。

質問:ロシアは、米国がウクライナとの軍事生物学的協力していることについて、明確化するために何をしているのですか?

マリア・ザハロワ:ロシアは、これまでに明らかになった事実を国連などの国際機関で公表し、米国当局に詳細な説明を求めてきましたが、予想通り、ワシントンはウクライナの軍事生物学プログラムに関する意味のある情報を国民と共有する用意はないようです。

 さらに、ホワイトハウスは明らかに、攻撃は最良の防御であると考えており、我が国がウクライナにおける米軍の生物学者の活動に国際社会の注目を集めようとしている努力について、それは、ロシア軍が実施する特別軍事作戦中に生物・化学兵器を使用する可能性を隠すために、モスクワが利用しようとする煙幕以外の何ものでもないという誤った主張を中心に、またしても宣伝活動を開始したのです。

 アメリカが管理するウクライナの生物学的実験室という危険な一触即発的な問題から国民の注意をそらし、この「世界の終わりのようなセンセーション」に溺れさせようとするアメリカのこうした粗野な試みは、一見意外だが、ドイツの政治指導者らによって強く支持されたのです。

 オラフ・ショルツ連邦首相を含む多くのドイツの有力政治家やトップが、ロシアに向けた正義の脅しや警告という形で、アメリカのシナリオを真似た声明を発表しています。ベルリンの公式な積極的な発言姿勢は、ウクライナ危機の文脈でこれまで長い間追求してきた戦略(今さら解決に役立たないし、以前は意図的にキエフ寄りの傾斜でミンスク・プロセスを行き詰まらせた)に沿ったものでしたが、それでも、ここ数週間のドイツからの反ロシアの暴言の流れ全体に対して、露骨な皮肉を感じさせるところが際立っています。

 まず第一に、ロシア軍がこの特別軍事作戦を開始する以前から、ドイツは米国と並んでウクライナで精力的な軍事生物活動を長年行っており、おそらく今も続けるでしょう。このことが、他のEU諸国と比較して、ウクライナおよびまだ解放されていないドネツクおよびルガンスク人民共和国における生物・化学兵器の使用に関する犯罪計画をわが国に当てはめようとするドイツの動機の大部分をなしていると強く信じています。

質問:ウクライナにおけるドイツの軍事生物学的活動に関する追加的な詳細はありますか?

マリア・ザハロワ:

 状況をよりよく理解していただくために、次のような事実を挙げます。2013年以降、ドイツ連邦外務省の支援のもと、ドイツ政府は重点国の政府機関や研究機関とのパートナーシッププロジェクトを含む「ドイツ・バイオセキュリティ・プログラム(GBP)」を実施しており、ウクライナはマイダンの年である2014年にその一員になりました。

 ドイツ軍微生物研究所(ミュンヘン)、フリードリヒ・レフラー研究所(グライフスワルト=リームス島)、ベルンハルト・ノヒト熱帯医学研究所(ハンブルク)、ロベルト・コッホ研究所(ベルリン)といった致死性生物剤研究を専門とするドイツの専門家が実践活動を展開しています。

 ドイツ連邦外務省によると、GBPの第3期は2020年から2022年にかけて実施される予定です。GBPが掲げる技術目標には、ビッグデータ技術の活用を含む第三国における疫病情報の収集、危険な生物学的病原体を取り扱うためのパートナー国のインフラ整備などが含まれていることが、公開されている資料から推測されます。

 ハリコフの実験・臨床獣医学研究所は、2016年からドイツ軍微生物学研究所がウクライナの主要な相手国となっていることが、独自のデータから分かっています。両研究所は、「EUの外側の国境における人獣共通感染症リスクの管理における生物学的安全性と生物学的防御に関するイニシアチブ」というウクライナとドイツのプロジェクトで協力しています。

 その公式目標が、ウクライナ、特に同国東部における「生物学的防御と安全保障状況の改善」であるという事実は、ドイツ軍の生物学者がその専門的関心のために、どの国境を外側の国境と見なしているのかという修辞的疑問を生じさせます。それはロシアとウクライナの国境なのでしょうか。

 微生物学研究所は資料の中で、このプロジェクトはウクライナの東部地域で敵対行為が続く中、「生物学的テロの潜在的脅威」に関連していると主張しています。これは、DPRとLPRが国際的に禁止されている生物兵器の使用計画を立案することに「関与」している可能性について、微妙なメッセージを送る方法であることは明らかです。そうすることで、ドイツ軍は長い間、ウクライナの担当者を意図的に威嚇し、実際、心理的にドンバス共和国と対立させてきたのです。ドイツ軍の微生物学研究所が定期的に開催している医療バイオディフェンス会議には、ウクライナの生物学的安全性の専門家が必ず参加しています。

 当然のことながら、潜在的な生物学的攻撃に対する防御を確実にするためには、まず、それが可能な生物学的薬剤を研究する必要があります。つまり、生物・化学兵器の分野の研究を行うことが必要なのです。ドイツ軍には、この分野での十分な知識と実践力があることは、ブロガーのアレクセイ・ナヴァルニー氏の毒殺事件で証明されています。

 AFG薬理学・毒物学研究所(AFG微生物学研究所と提携した軍事機関)の専門家は、ロシア市民の体内から、NATOがノビチョク類(系統)として指摘している何らかの軍事毒素の痕跡を非常に素早く検出したとされています。このような高度な専門知識は、もちろんすべての発言が事実上正確であるならば、AFGが悪名高いノビチョクとそのマーカーを含む毒性物質を独自に合成できることを示唆するものです。

 バルト海のリームス島にある最も危険なウイルスと人獣共通感染症の研究センターを担当するドイツのフリードリヒ・レフラー研究所は、ウクライナ国立実験室診断・獣医衛生専門研究所(キエフ)、国立バイオ技術・微生物株科学管理研究所(キエフ)、さらにAFG微生物学研究所と並行して協力している実験・臨床獣医学研究所(ハリコフ)と積極的に協力関係を維持しています。

 ウクライナでは、フリードリヒ・レフラー研究所がクリミア・コンゴ出血熱に着目しています。1944年、ソ連の科学者がロシアのクリミア半島で初めて発見しました。同研究所がウクライナのパートナーに依頼し、既存の協定に基づいて前述のランス島に移送されたコウモリの外部寄生虫の被検体を採取した証拠が残っています。

 ベルンハルト・ノヒト熱帯医学研究所は、ウクライナにおいて、極めて危険な熱病-デング熱、チクングニア熱、西ナイル熱、ウスツウイルスなど-に集中的に取り組んでいます。

 ウクライナにおけるドイツの生物学的軍事活動に関するこの情報は、完全なものではありません。特別軍事作戦が進むにつれて、ロシア軍によってさらなる資料が発見される可能性は否定できません。確認された報告によると、ドイツは、ウクライナに少なくとも30の生物学的研究所のネットワークを構築したアメリカの同盟国と生物学的安全保障に関する作業を密接に連携させたということです。他の活動に加えて、彼らは危険な研究にも携わっていました。

 私たちはドイツ政府関係者に対し、わが国が国際法で禁止されている兵器を使用する意図があるという誤った疑惑を広めることを直ちにやめるよう求めるものです。そのような発言は、ネオナチの大隊に恐ろしい挑発行為をさせることにしかならないし、その悲惨な結果に対する道義的責任はベルリンが共有することになると、私たちは信じています。