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米国オハイオ州列車事故
運輸長官ブティジェッジの辞任
を求める下院共和党の決議案

House GOP Resolution Urges Buttigieg
to Resign Over Ohio Train Wreck

Sputnik Intrnational War in Ukraine #2913  2 March


翻訳:池田こみち(E-wave Tokyo共同代表)
独立系メディア E-wave Tokyo 2023年3月3\日

<事故現場の写真> © AFP 2023 / DUSTIN FRANZ

執筆者:スヴェトラーナ・エキメンコ(Svetlana Ekimenko)
スヴェトラーナ・エキメンコは、スプートニクの特派員で、海外が専門。
以前は生放送の司会を務めていた。


本文

 2023年2月3日にイーストパレスチンで発生したノーフォーク・サザン社の脱線事故により、車両が運んでいた有害化学物質が大気、地面、水に流出し、長期的な健康被害が懸念されるとともに、当局者の無能さがスキャンダルとなっている。

 下院共和党は、ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)米運輸長官を「職務怠慢」と非難し、辞任を促す決議案を提出した。この決議案は、2月3日にオハイオ州イーストパレスチンで発生した有毒物質を発生させることになった列車脱線事故を受けて、マイケル・ウォルツ(Michael Waltz)議員(共和党)が主導し、同議員の同僚議員であるローレン・ボーバート(Lauren Boebert)議員(コロラド州)ら数名の共和党議員が提出した。コロラド州のローレン・ボーバート議員、モンタナ州のライアン・ジンク(Ryan Zinke)議員、ジョージア州のマイク・コリンズ(Mike Collins)議員、フロリダ州のグレグ・ステューブ(GregSteube)議員などだ。

 決議文は、ブティジェッジが「複数の国家的危機を沈静化させ、効果的に対応することができなかった。」と非難し、「彼の無策は、アメリカ国民の安全と繁栄を危うくした。」と付け加えている。ピート・ブティジェッジは脱線事故から20日後にようやくイーストパレスチンを訪問したが、発狂した地元住民は、「少なすぎるし、遅すぎる!」と非難している。


★マイク・ウォルツ議員のツイッター
 過去二年間、ブディジェッジは、何度も何度もアメリカ国民床の国を危険にさらしてきた。だから私は彼の辞任を要求しているのだ。--以下略


■「国家的危機の際に無許可の戦線離脱(AWOL)」

 ピート・ブティジェッジは「複数の国家的危機の際に無断欠勤している」とフロリダ州の共和党員マイケル・ウォルツはツイートで強調した。

 ウォルツと彼の仲間の共和党員は、ピート・ブティジェッジが複数の場面で任務に就かなかったという実績を重く見ている。彼らは、昨年の米国におけるサプライチェーンの危機から、鉄道労働者のストライキに至るまで、すべてを引き合いに出しているた。

 彼らは、「米国の港が米国沿岸で座礁した船舶の記録的な滞留に直面した歴史的なサプライチェーンの危機の際、運輸長官は際立って姿を見せなかった。」と強調した。彼らは、彼の監視下で 「15,000便以上」のフライトがキャンセルされ、「米国航空史上最悪で最もコストのかかる単一の航空会社の運航障害」になったことを思い起こさせた。

 ウォルツと共和党は、ブティジェッジが「職務を怠り、緊迫した鉄道労働者のストライキの交渉が続く中、ポルトガルのワインカントリーで休暇を過ごすために国を離れ、結果として、差し迫った鉄道労働者のストライキを防止するために議会が行動することになった・」と指摘した。

 「イーストパレスチンを訪問するために何週間も待たされたこと、重要な組合交渉中にポルトガルのワインカントリーで休暇をとったこと、我々が直面した最大の海運危機の1つが発生している最中、長期不在だったこと、大量の航空機の着陸を防ぐことができなかったことなど、ブティジェッジ長官は職務を遂行できないことを示している。」とマイケル・ウォルツもメディアに語っている。

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 共和党議員によると、ピート・ブティジェッジは「運輸長官としての職務において、重大なレベルの無能と無関心を繰り返し示し」、「アメリカ国民の信頼を失った」のだ。

 この決議案は、上院では、オハイオ州の列車事故とそれに伴う有毒化学物質の放出を受けて、民主党と共和党が鉄道の安全要件を強化することを目的とした法案を共同提案している。「2023年鉄道安全法」は、オハイオ州の上院議員JDバンス(JD Vance)氏(共和党)とシェロッド・ブラウン(Sherrod Brown)氏(民主党)が提出した超党派の法案である。この法案に基づき、鉄道会社は緊急対応計画を策定し、危険物を積んだ列車が管轄区域を通過する際には、地元の緊急対応担当者に知らせることが義務付けられることになる。

 「この法案を通じて、議会は、イースト・パレスチンで起こったことが二度と起こらないようにするための絶好の機会を得た。私たちは、すべてのアメリカ人に、自分たちの住む地域がこのような大災害から守られているという安心感を与える義務がある」と、バンスはメディアに語った。


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 ノーフォーク・サザンの列車は2月3日、オハイオ州イーストパレスチンで脱線した。約150両の列車のうち約20両は、引火性の高い塩化ビニルを含む危険物を積載していた。それらは「その後発火し、火災を助長した」と、国家運輸安全委員会(NTSB)は予備報告書で述べている。これらの車両は、「1つのタンク車両内の温度がまだ上昇していたため、当局が懸念し続けた。」という。これは、爆発につながる重合反応の兆候であり、爆発を避けるために、脱線事故から3日後に作業員が化学物質をトレンチに放出して燃やしたと、調査結果は述べている。

 NTSBの報告書によると、脱線事故は鉄道車両の車輪のベアリングの過熱が原因であった可能性が高いという。この事故により、有毒化学物質の恐怖の中、住民に避難命令が出され、連邦政府は事故原因の調査を行うことになった。


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