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グローバル・サウスと
BRICSの雰囲気漂う
「ロシアの日」参加記
Global South and BRICS Atmosphere
in the Air Russia Day" Participation


青山貞一(東京都市大学名誉教授)

池田こみち(環境総合研究所顧問)
独立系メディア E-wave Tokyo 2023年6月9日

ロシア大使館レセプションでの青山貞一 撮影:池田こみち iphone  2023年6月9日

 ※注:本稿は2023年6月9日、ロシア大使館レセプション参加後、フェイスブックに数本
     にわたり書き留めた文を拡充し一本化したものである。



プロローグ ウクライナ紛争まっただなか、「ロシアの日」を祝う

 ウクライナ紛争の真っただ中、東京都港区の六本木近くの飯倉にあるロシア大使館におよばれし、青山貞一と池田こみちは、2時間ほどレセプションに参加した。本稿はその概要である。

 受付を済ませ、美しいステンドグラス前の階段を上ると、参加者ひとりひとりは、エントランスでオヴェチコ駐日ロシア臨時代理大使夫妻のご丁寧な出迎えのご挨拶を受け会場に入った。


ロシア大使館内の美しいステンドグラス
撮影:青山貞一 Nkon Coolpix S9950

 何といってもウクライナ紛争の真っただ中、しかも在日ロシア大使館にもかかっわらず、日本の外務省関係者は一切いないという異例の開催となった。これは日本政府がロシアに敵対的スタンスだけでなく、具体的にロシア制裁措置に加わったこと、また、2022年4月、日本が、在日ロシア大使館の外交官ら8人の国外退去を要請したことに対する 報復措置として、ロシア外務省は在ロシア日本大使館の代表を召喚し、外交官8人を5月10日までに国外退去させるよう求めたことによっている。

  ※注:召還とは
   呼び戻すこと。特に、派遣した外交使節や外交官を本国に帰還させること。 「特使を
   ―する」など。召喚とは人を呼び出すこと。特に、裁判所が被告人・証人・鑑定人など
   に対し、一定の日時に裁判所その他の場所に出頭を命ずること。


 その結果、レセプションは、まさに欧米諸国(加、豪を含む)とともに日の外交官、外交関係者が不在の異例の開催となった。 

、私たちは過去、東京にある各国大使館から呼ばれ、新外務大臣が着任され際、朝食会、夕食会などに呼ばれ交流したことは多数あるが、ロシア大使館ははじめてである。

 参加の経緯は以下のとおりである。

 青山貞一・池田こみちが昨年の冬からウクライナ紛争関連のロシア語記事(約50種のロシア語を中心としたメディア)を中心に英語、フランス語、スペイン語、トルキエ語、中国語、朝鮮語などなどを翻訳した記事を、2023年6月9日時点で3600本以上を連日twitter、facebook、Web、メーリングリストに投稿しており、それをロシア大使館の外交官らがご覧になれ、軍事担当外交官から「ロシアの日」 レセプションにお招きいただいたことによっている。
 
 参加に際しては、在日ロシア大使館の関係諸氏に、たいへんお世話になった。ここに謝意を表したい。


池田こみちとロシア大使館防衛駐在官(Secretary Defense Attaché)であるイリア氏
撮影:青山貞一 iphone


 ※注:ロシアの日については、これもtwitterに掲載したが、以下のロシアビヨンドに記事がある。


グローバル・サウスとBRICSの雰囲気漂う「ロシアの日」レセプション
Global South and BRICS Atmosphere in the Air Russia Day" Participation

 ところで本稿のタイトルにも書いたが、この「ロシアの日」のレセプションは、まさにグローバル・サウスとBRICSの雰囲気漂うものとなった。立ち話したアフリカ諸国の外交官は、いずれもロシアや中国が西側諸国のこれまでのアフリカ諸国に対する宗主国的な言動への批判や対抗策、たとえば.反フランスへのロシアの積極的な動きを評価しており、今年3月のロシア・アフリカ首脳会議やロシア主導のアフリカ経済サミット、さらに今年秋、南アフリカで開催されるBRICSサミットやロシアのアフリカ諸国に対する強力な政策支援をことごと評価していたのがレセプションで強く印象に残った。

 以下の写真は、アフリカ諸国(写真の二人は南アフリカとエチオピア)と、在日中国大使館の防衛関係の外交官と情報交流する池田こみちである。英国NGO CAFの永年にわたる世界125カ国卯を対象とした「見知らぬ人へ親切さ」で日本は何と125カ国中125位となっている。だが池田はどこの国に行っても、日本でも「見知らぬ人との物怖じしない積極的な交流と親切さ」にかけては、おそらく日本NO1と青山が思えるほどである(嗤)。

 日本的な名刺交換など不要で流ちょうな英会話とあわせ、アフリカ諸国の外交官と交流・友好を実践していた。
 

アフリカ諸国(写真の二人は南アフリカとエチオピア)の外交官と情報交流する池田こみち
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9950

 レセプションには、在日イラン大使館の防衛関係の外交官もいらしたので青山は立ち話をした。

 ウクライナ紛争後、世界の二極化が一気に進んでいが、元々イランは、ロシアと軍事、経済、資源での交流が盛んであるが、周知の用意に中東諸国、とくにサウジアラビアとイランとのいわば手打ちが進んだ。スンナ派の雄(サウジアラビア)とシーア派の雄(イラン)が手打ちしたのは、世界史的にもおおきなできごとであった、と言える。

 もともと、西側諸国から永年にわたり植民地支配を受けてきたアフリカ諸国が ウクライナ紛争後、ロシアとの関係で支持ないし中立となったこと、もともと米国の裏庭とされ、何度となく「色彩革命」の対象となってきた中南米カリブ諸国も、ウクライナ紛争後、グローバルサウス、BRICSに刺激され、アルゼンチン、ヴェネズエラはじめ多くのラテンアメリカ諸国がBRICSへの加盟を事務局に打診している。


脱亜入欧は日本史最大の廃嫡
De-Asia and enter Europe are the biggest abolition in Japanese history

 青山、池田は、在日中国大使館の防衛関係の外交官にあえて「日本の政治家の歴史認識について」お話ししました。というのも、この中国の外交官はもともと黒竜江省が担当地域であり、中国ではハルビン市に勤務とのことで、私達からはハルビンと言えば日中戦争中の「731部隊」について話し合った。

 青山研究室(東京都市大)では、中国からの留学生が圧倒的に多く、南京や黒竜江省出身者もいた。外交官からは青山が700本ほど中国語を翻訳することで理解した、日本政府の日中戦争への戦後の対応があまりにもひどいこと、「中国人が石刻んでいることを日本人は水に流し認めようとしない」ことを外交官が指摘されていた。

 特に日本の政治家が「過去の歴史の事実を踏まえずに、なし崩し的な態度をとっている現状では両国の将来的な発展がない」、と厳しく指摘された。お料理を食べながら、ロシア料理もおいしいけど、中国料理は地方によって多様でおいしい!と料理談義にも花が咲いた。

 ※注:中国文献翻訳でひも解く日中の悲惨な歴史 南京大虐殺・強姦・慰安所...
     翻訳・監修:青山貞一 東京都市大学名誉教授
     独立系メディア E-wave Tokyo 2022年3月31日

 ※注:中国文献翻訳でひも解く日中の悲惨な歴史 旅順大虐殺、日清戦争、万人坑...
     翻訳・監修:青山貞一 東京都市大学名誉教授
     独立系メディア E-wave Tokyo 2022年3月31日
 

在日中国大使館の防衛関係の外交官と情報交流する池田こみち
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9950

 以下は、在日中国大使館の防衛関係の外交官とツウーショットの青山貞一。


在日中国大使館の防衛関係の外交官とツウショットの青山貞一
撮影:池田こみち iphone



在日中国大使館の防衛関係の外交官とツウショットの池田こみち
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9950



南・東南アジアの微笑みこそ、地球の将来をすくう
The smile of South and Southeast Asia is the future of our planet.

 BRICSと言えば、レセプション会場にはインドの外交官もいらした。以下は会場で撮影した写真。最初右側の女性とはなしていたら、おそらく大使館で同僚の右側の男性も加わって少しだけ立ち話をさせていただいた。インドはBRICSの重要な中核メンバーだが、こういう方々が外交で支えているんだと推察した。


在日インド大使館の外交官と立ち話
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9950

 会場にはイランの外交官も致した。池田がそばにいなかったので、写真や動画を撮れなかった、青山が過去73カ国訪問しているが、イラン(テヘラン)はCOVID後、最も訪問してみたい国である。


 以下の写真は、在日ラオス大使館の外交官。名刺には次期大使とある。私たちは東南アジアには22カ国訪問しており、上座部仏教などの歴史文化についても現場で学んできた。残念なのはラオスだけ訪問していなかったことだ。


在日ラオス大使館の外交官と青山貞一
撮影:池田こみち iphone


  次期大使のダリダックさんとは、ぜひ、有終の美を飾り、上座卯仏教国のラオスに伺いたいとお伝えするとともに、ミャンマー、インドネシア、カンボジアの東南アジア3大石造巨大仏像を現地で訪問したこと、中国南西部とヴィエンチャンが特急鉄道で結ばれたこと、ラオスの食べものなどについてお話をした。

 ダリダックさん(次期ラオス大使)には、私達が東南アジアは一国を除き、ほぼ全部訪問しており、COVIDがなければ行っていたと伝えたら喜ばれ、ぜひ現地でもお会いしたいと言われた。ダリダックさんは、写真で見るように、温和なお顔をされており、そこにもラオスの上座部仏教の心を見た感じがした。


結言 epilogue

 ロシア大使館での集まりで私達なりによくわかったのは、欧米加豪、すなわちアングロサクソン+西欧が一切いない会議は、実に気持ちがよかったと感じた(嗤)。日本の外交官はいてもいなくても、ほどんど議論の対象にならないのが過去の評価であり、まして日本の大メディアは、ウクライナ紛争報道で、世界的な恥をさらし続けている。大変困ったことであると思う。
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 冒頭に書いてように、くしくも欧米日諸国がロシア制裁で、この種の集まりにも一人もいなかったことになる。先に述べたように、今日は125カ国で世界一他人に不親切な国 日本の外交官はゼロだったことになる。
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 ※注:英国CAFによる十年調査の結果、「見知らぬ人への親切さ」 
    「見知らぬ人への親切さ」 日本125ヵ国中125位は最下位!)
     翻訳・監修:青山貞一 東京都市大学名誉教授
    独立系メディア E-wave Tokyo 2021年5月14日

  青山貞一・池田こみち 「見知らぬ人への親切さ」求め東南アジア諸国で実感 

 アフリカやアジア、中東諸国それに中南米からの人(外交官)は、すごく親切、丁寧で傲慢さがまったくない会話の場は珍しいものだった。
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 今年は南アフリカでBRICSサミットがあるが、そこにはイラン(すでに加盟)、サウジ、アルジェリア、アルゼンチン、インドネシア、アフリカ諸国、ヴェネズエラなど中南米諸国がたくさん行き、はじめての世界多極化がどういうものかを味わうことになる。
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 その意味では、ウクライナ紛争によって、世界の近現代の歴史における多極化がはじめて実現したこととなり、いわゆる新興国、発展途上国が自分たちで自分たちの将来を考え、実現する上でのBRICSやJCOなどロシアや中国の支援はきわめて重要なものとなるだろうことになると言える。過去、欧米諸国の植民地として、モノカルチャーを強いられてた世界中の多くに国々が、はじめて真の意味での植民地から抜け出し、自分たちの将来を形成することができるだろう。
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 幸い、BRICSグループのリーダーには、経済・インフラ整備・工業生産で世界随一の中国と、自前の思考と頭脳により軍事設備を生産し、欧米のそれを凌駕した世界最強のロシアがいる。非常に心強い用心棒である。
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