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ヌーランド、トルコに最後通牒
米政府高官は、アンカラがロシアの
防空プラットフォームを購入したことで、
NATOの安全保障を脅かしていると非難。

Nuland issues ultimatum to Türkiye. US officials have
accused Ankara of threatening NATO’s security with
its purchase of a Russian air defense platform

RT War on Ukraine #4521 31 Jan. 2024


英語翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)
E-wave Tokyo 2024年1月31
TUBITAK防衛産業研究開発研究所がF-35戦闘機用に設計した国産弾薬がアンカラで展示されている(2018年10月31日)  © Murat Kaynak / Anadolu Agency / Getty Images

<本文>

 アメリカは、トルコがロシアのS-400ミサイル防衛システムを捨てることに同意した場合のみ、F-35戦闘機計画に復帰することを認めると、ビクトリア・ヌーランド国務副長官代行が述べた。アメリカ政府高官はまた、アンカラがもっと従順になれば、ワシントンはNATOの同盟国に対する制裁を解除する可能性さえ示唆した。

 ヌーランド氏は月曜日、CNNトルコ・テレビとのインタビューで、トルコ政府が2019年にロシアからS-400を取得したことで、F-35計画から外されたがその後、紛争が解決すれば、トルコ政府はF-35計画からの孤立無縁状態から脱することができる可能性がある、と述べた。

 「もし我々がこのS-400の問題を解決できれば、アメリカは喜んでF-35ファミリーにトルコを迎え入れるだろう。この問題を解決できれば、CAATSAの問題は解決し、F-35の話に戻ることができる。」とヌーランドは付け加えた。

 2020年にCAATSAの罰則を発表する際、ワシントンはアンカラにS-400の購入は「米軍の技術と人員の安全を危険にさらし、ロシアの防衛部門に多額の資金を提供することになる」と通告したと述べ、同盟国に対して「防衛上の必要条件を満たすために、NATOと相互運用可能な代替システムが利用可能である」ことを念押しした。そして、「S-400問題を直ちに解決」するようトルコに求めた。

 アンカラが、ロシアの防空システムから手を引くというヌーランドの提案を受け入れるかどうかはまだ不明だが、政府関係者は以前からこの考えを拒否しており、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は購入は「完了した取引」だと主張している。トルコの防衛産業責任者ハルク・ゴルグンは後に、自国は「防空システムを作っている」と付け加え、「S-300(やS-400)は必要ない」と述べた。

 アンカラが何百もの航空機部品を生産していたF-35計画から外されたことに加え、ホワイトハウスはトルコ空軍のためのF-16アップグレードの売却を許可しなかった。しかし、アメリカ政府は先週、79の近代化キットの取引を許可した。この動きが、NATOの同盟国に対するアメリカの政策に何らかの大きな変化をもたらすかどうかはまだわからない。

 「15日間の期間は金曜日の夜から始まった。15日後、この通告期間は終了し、その後、われわれは実施を進めることになる」とヌーランドは続けた。「私の理解では、近代化は直ちに始まる。正直なところ、新型ジェット機がいつ完成するのか心許ないが、トルコが一刻も早くジェット機を手に入れることがアメリカにとって優先事項であることは明らかだ。

 アメリカの上級外交官はさらに、アンカラが最近スウェーデンのNATO加盟に賛成票を投じたことが、この取引を決定づけたと示唆し、次のように述べた: 「我々は、トルコが我々と共にスウェーデンに賛成してくれたことを非常に喜んでいる。」、と。

※注:背景説明

 2019年7月17日、米政府は、トルコがロシア製ミサイルシステム「S400」を購入したことを受け、最新鋭ステルス戦闘機F35共同開発計画からトルコが排除されることを認めた。

 ステファニー・グリシャム(Stephanie Grisham)米大統領報道官は声明で「残念ながら、ロシア製地対空ミサイルシステムS400を購入するというトルコの決断により、同国のF-35関与継続は不可能になった」と表明。米国製のF-35は「ロシアの情報収集プラットフォームと併用できない。同プラットフォームは、F-35の高度な能力について知るために使われる」と説明した。

 米国などの北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、トルコによるS400購入が同国との関係に与え得る影響を警告していたが、トルコは12日、S400の搬入開始を強行していた。米国は今後、F35の部品を製造していた複数のトルコ業者を排除する他、トルコによるF-35約100機の購入計画も凍結する。(出典:AFP 2019.7.18)