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スコット・リッター氏
先鋭化ならロシアを見ろ
タッカーの目を見張る
モスクワ・ツアーを語る
‘Want to Get 'Radicalized', See Russia’: Scott Ritter
Weighs in on Tucker’s Eye-Opening Moscow Tour

筆者:イリヤ・ツカノフ  Suputnik International
War on Ukraine #4572 17 Feb. 2024

英語翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問)

E-wave Tokyo 2024年2月17日

スコット・リッター氏、タッカー・カールソンのモスクワ訪問について語る

<動画:Scott Ritter on Tucker Carlson's visit in Moscow>

筆者:イリヤ・ツカノフ
 モスクワを拠点とする特派員で、専門は東欧、米国、中東の政治、冷戦史、エネルギー安全保障、軍事問題。2014年のサイト開設時からスプートニク・チームのメンバー。あらゆる検閲に反対。


本文

 タッカー・カールソンは、西側の制裁「全面戦争」のさなかにある首都での生活についての一連のビデオで、ロシアについての神話や固定観念を論破し続けているため、ワシントンの体制派やレガシー・メディアはタッカー・カールソンにナイフを突きつけている。

 インターネット・チャンネルに投稿された、ロシア滞在8日間の体験談の最新版で、カールソンはモスクワの食料品価格を賞賛した。「1週間分の食料品を約105ドル相当で購入した後、カールソンは言った。『諸悪の根源・中心地』であるロシアの食料品店に来て、物価や人々の暮らしぶりを見れば、わが国の指導者たちに対して激怒するだろう。「とにかく、私はそう感じている-激怒したんだ。」とカールソンは言い、「猥雑、犯罪、インフレ」によって「人々の生活を破壊する」米国の指導者たちを泥沼に引きずり込んだ。

 共和党のネオコン議員トム・ティリスは、ヒラリー・クリントンと同じように、カールソンを『役に立つ馬鹿』と非難し、ロシアが 「安い食料品と豪華な地下鉄の駅があるアメリカよりずっといい」と示唆したことを嘲笑した。

 別のネオコン団体『トランプに反対する共和党』は、カールソンを『クレムリンの宣伝屋』と非難し、『ロシアはすごい、アメリカはくだらない』という番組を流している、と非難した。

 USAトゥデイ紙は、タッカーは、「フォロワーをロシアに移住させるために全力を尽くすべきだ」と指摘するコラムを掲載した。MSNBCの司会者、クリス・ヘイズはすぐに飛びつき、食料品の価格差はアメリカが「豊かな国」であることの結果であり、「もしあなたがアメリカ人なら(中略)貧しい国へ行けば、物価はそちらの方が安いだろう。」と指摘した。また、タッカーの体験はモスクワ特有のものであり、「ポチョムキン村」のようなロシアの首都以外の「本当のロシア」に行けば、何か違うものが見えるだろうという意見もあった。

 ジョン・リードの名作『世界を震撼させた10日間』の現代版、『タッカー・カールソンを過激化させた8日間』のようなものだ」と、元国連兵器査察官のスコット・リッター氏は、カールソン氏のロシア訪問での目を見張るような体験について
スプートニクに語った。

 「我々は、10億人以上がウラジーミル・プーチンとのインタビューを見たし、タッカー・カールソンがモスクワで体験したビデオクリップ、モスクワの地下鉄、モスクワの市場での買い物、ロシアのマクドナルド(に相当)への訪問も見た。タッカー・カールソンが言ったことは100%真実だ。地下鉄は素晴らしく、清潔で、芸術作品だ。モスクワでは食べ物に不自由しない。そう、ロシアのファストフードはアメリカのそれと同じくらいおいしいだけでなく、遺伝子組み換え作物に関する法律もあるのだから、そうだよ、タッカー、もっと健康的だという点も指摘すべきだったね。」とリッターは語った。

 カールソンに悪口をを浴びせ、彼の体験が何らかの形で「フェイクであると主張する人々を指して、過去1年間にロシアを広範囲に旅行しており、「ロシアの他の地域にも行ったことがある」リッターは、次のように断言した。「元フォックス・ニュースの司会者がモスクワで見たものが、ロシアの他の都市でも観察される可能性があることは間違いない」、と。

 「5月、ソ連崩壊後初めてロシアを訪れたとき、最初に降り立った都市はモスクワではなかった。ノヴォシビルスクだった。今、ノヴォシビルスクはモスクワのように華やかにライトアップされているだろうか?いや、ノヴォシビルスクは1300万人の都市ではないし、ロシア連邦の首都でもない。ロシアの商業の中心地でもない。しかし、ノヴォシビルスクはロシアで3番目に大きな都市であり、最大の経済発展都市である。ノヴォシビルスクのスーパーマーケットに行くと、モスクワのスーパーマーケットと同じくらい品揃えがいい。なぜかって?ロシアは近代国家だからだ。ロシアは広大な国土に食料品を輸送する能力を持つ国家なのだ。ロシアはモスクワではない。ロシアは1億5,000万人以上の国民が暮らす、世界の他の地域と同じレベルの近代国家なのだ。」とリッター氏は語る。

 「ノボシビルスクで私は、他の人たちと同じように生活している人たち、つまり、清潔で効率的な公共交通機関、清潔で効率的な道路を目にした。なぜか? ロシア全土で、ロシア国民はモスクワの住民と同じように自分たちの街を大切にしているからだ。ロシアは国家であり、都市ではない。そしてロシア人は国を愛している。」

 「ノヴォシビルスクが特別なわけではない」とリッター氏は強調し、同様のことはロシア第4の都市であるエカテリンブルクや、彼が旅行したシベリアのもう一つの都市であるイルクーツクでも見られると述べた。

 「(ロシアに対して)先鋭化・過激化したいのであれば、モスクワだけにとどまらないことだ。ロシアを、ロシア全土を見るのだ。そうすれば、タッカー・カールソンがモスクワで経験したことは、多くのタイムゾーンで、非常に多様な文化を通じて、何度でも何度でも再現できる経験だということがわかるだろう。過激化したければ、ロシアを訪れなさい、本当のロシアを!」とリッターは総括した。