エントランスへはここをクリック         

富士五湖、自然と文化・歴史短訪

日蓮上人と富士山
Nichiren Shonin and Mt Fuji 

青山貞一・池田こみち
 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年9月
 

全体メニュー

日蓮上人と富士山   出典: ドクターキムル氏 travel.jp


久遠院 奥之院 思親閣 撮影:青山貞一 Nikon Coolpix 9900

 日蓮宗の宗祖日蓮聖人の足跡を辿ると富士山との関係が現れてくる。

 「文永6庚午(1269)、今年富士山に登り、その中腹に法華経を埋めて鎮国に擬す。後世経ヶ嶽と称するは是なりと伝ふ」(「日蓮聖人」(山川智応著))とあり、富士山登山道五合五勺にある経ヶ岳への富士埋納経のことが記されている。

 現在は鉄筋コンクリート造の八角堂常唱殿が建っている。また、河口湖にある六角堂は、今年、河口湖の湖面が下がり徒歩で渡れるようになり、話題になったが、これも富士山麓を訪れた日蓮聖人に帰依した村民が建てた法華堂の跡地に河口湖町が保存施設として建てたものである。

 建長5年(1253年)、安房から鎌倉に入った日蓮聖人が松葉ヶ谷に来て、初めて草庵を結んだ所とされる名越には3ヶ所の小庵跡が妙法寺、安国論寺、長勝寺境内の山麓か山中にあるが、いずれもその山の頂からは富士山が望める。

 日蓮聖人が晩年に移り住み、日蓮宗の総本山になった身延山久遠寺も例外ではなく、身延山山頂の展望台は富士山が望める撮影スポットとして知られている。おそらくは、ダイヤモンド富士を撮りにやって来るカメラマンの殆どは日蓮宗信徒ではないであろう。

 なお、身延山奥之院思親閣のホームページには「奥之院の頂上は海抜1247メートルで標高1153メートル。」(http://www.kuonji.jp/okunoin/keidai/keidai.htm)、あるいは、「その身延山の山頂(標高1153メートル)に、奥之院思親閣があります。」(http://www.kuonji.jp/okunoin/index.htm)とも記載されている。地図を見ると「身延山1183m」と記載されている。「標高1183メートル」、「海抜1183メートル」が正しい。あるいは、「身延山(標高1183メートル)の山頂付近に建つ奥之院は標高1153メートルある。」の意かも知れない。信教の自由はあっても国土地理院の仕事を否定することは出来ないはずだ。単なる失笑を買うだけの誤記であろう。

 日蓮聖人の終焉の地、池上本門寺からも富士山が望める。一昨日は日蓮聖人が富士山好きであると信徒の知人に話したら、昨日は池上本門寺参拝土産のくず餅を頂いた。
 このように、日蓮聖人を開山とする縁の寺々が富士山を望める場所に立地しているのは単なる偶然ではないであろう。日蓮聖人に富士山信仰があったからのことであろう。