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クロアチア紀行

アドリア海の真珠
ドブロブニク
(2)
Dubrovnik 

青山貞一池田こみち

April  2007
無断転載禁
       

2007年3月10日

 翌朝(3月10日)、歩いてツァヴタットの市街地に行く。

 曇っていて風が強く目にゴミが入り、死にそうに痛くなる。ツァヴタットはなかなかすばらしい町で、歴史的にもドブロブニクよりも古いようだ。

 朝早いので、まだレストラン、は開いていないが、ツァヴタットはどうも高級リゾートのよう。シーズンオフなのでまったく人影はない。シーズンオフのこの時期に海沿いの街の道路や公園などのインフラを整備していてそこら中が工事中だった。

 強風の中、岬の突端まで歩く。実にすばらしい景観だ。とくに水がすばらしい。こんな透明な綺麗な水を見たことがない。





 アパートへの帰り道、街の端にある焼きたてパン屋さんに寄る。何しろ目が痛いので、水を貰い、コンタクトレンズを洗うのが目的だったが、そのパン屋さんで売られているパンがほんとうにおいしい。クロワッサン的な生地のなかにいろいろなジャムやチーズが入っている。パンはひとつ100円前後、数種類のパンとコーヒーでひとりあたり250円。

ツァヴタット旧市街のパン屋さんにて ツァヴタット旧市街のパン屋さんにて

 結局、毎朝、このパン屋さんのお世話になることになった。お年寄りが次々に集まってくる。小さな町、ツァヴタットのひとつの集合場所にもなっているのかな。お年寄りが家族分のパンを毎朝買いにくるのが習慣になっているようだ。

 おいしいパンを食べた後、歩いてアパートまで戻る。アパートへの帰り道、小さな朝市を見つける。新鮮でジューシーなオレンジをおじさんから買う。

ツァヴタット旧市街の朝市にて ツァヴタット旧市街の朝市にて

 今日は何はともあれ、アドリア海の真珠、世界の自由都市、ドブロブニクを下見する。予備現地調査だ。

 アパートの前のバス停で待つこと15分ほどで、ドブロブニク行きバスが来る。

 運賃は、片道20km弱のところ一人当たり12クーナ。230円程度。偉く安い。

 アドリア海を進行方向左側に見ながら、山が海に落ちるその中途にある道をバスが20分ほど行くと、忽然と写真で見慣れたドブロブニク旧市街がガーンと目に入ってきた。しかし、バスがかなり速度を出しているのと、ドブロブニク旧市街全体が一望できるのはほんの一時だ。

 そのままバスの終点まで行くとドブロブニク新市街に行くことは間違いないので、ドブロブニク旧市街が見えた近くのバス停で下車した。実はこれが正解だった。次まで行くと、旧市街からはかなり遠くなる。


ドブロブニク旧市街全容

 いかにも中世的な路地をどんどん降りて行くと、ドブロブニク旧市街のいわゆるピレ門側に到着した。天気は曇りだが、さすがアドリア海の南にある地域、ソテツがそそかしこにあり何とも南国の雰囲気を醸し出している。


バス停からドブロブニク旧市街のピレ門に通ずる路地


バス停からドブロブニク旧市街のピレ門に通ずる路地

 公衆トイレで用を足した後、早速旧市街に入る門のひとつ、ピレ門から城内に入る。入り口に猫がいて、小学生か中学生の低学年とおぼしきかわいい少女たちがそのトラ猫をからかっている。猫好きの私たちもさっそくそのトラ猫をからかう。


ピレ門にて名にしろドブロブニクやモンテネグロにはネコがたくさんいる

 入ってすぐのところが、かの有名なドブロブニク旧市街のメインストリート、プラカ通りの噴水側の入り口である。やはり季節的にシーズンオフのせいか、あまり人がいない。


ナポリのイタリア人の設計による大きな噴水

 噴水の前に強固な要塞、城壁を一周する入り口がある。まずは城壁を一周しながら、全体をみわたそうと、入場券を買う。

 ひとり50クーナ、日本円で1200円程度。ちょっと高いように感ずるが、この城壁一周コースで見ることができる景観は、かのバーナード・ショーが「ドブロブニクを見ずして天国を語ることなかれ」と宣われた、その景観、景色があますところなく見られる点で、大げさに言えば1万円出しても惜しくないほどのものだった。


ドブロブニク旧市街城壁周遊券


ドブロブニク旧市街のメインストリート、プラカ通り

 天気は薄曇りだったが、デジカメ、デジタルビデオカメラをかまえ、ゆっくり2時間かけ城壁を探訪する。今まで欧州の中世の面影が残るあちこちの都市に行ったが、やはりバーナード・ショーの格言は伊達ではない。

 日本的に言えば、「冥土のみやげ」といえる 。中世の城壁をもった自由都市がそのまま現代にそっくり生きているのだ。

 まずは中世そのもののすばらしい景観を堪能して欲しい。






旧市街の城壁から見た要塞。水面から最高で37mある。





 城壁を降りたあと、遅い昼食を旧市街のなかでとる。せっかくなので魚介料理を食べようと、マリーナに通ずる路地の途中にあるアクエリアスというレストランに入る。他の客はいないが、まさか旧市街のこの地でぼったくりはないだろう。

 魚介料理、パスタ、スープ、水などを頼む。水はどこでも有料だ。さすが本場、これは結構いけた。一人当たり1800円程度。クロアチアとは言え、EU有数の目玉観光地となっているドブロブニク、この程度はしかたない。

 食事後、2時間ほど旧市街を歩く。メインストリート、路地、マリーナはじめ城壁にそって密集する民家など。


プラカ通りのピレ門側から撮影


プラカ通り


プラカ通り




プラカ通りから路地を見る











 そうこうしているうちに、夕方となり、小雨が降ってきた。明日以降は空港でレンタカーを借りる計画だが、今日は歩き。雨脚も強くなってきたので、ピレ門から新市街側に出る。

 ここにはバス停広場があるが、どうみてもツァヴタット 行きはない。そこで来るとき降りたバス停まで歩いて戻ることとしたが、路地でなくひろいバス通りを上っていったため、道を迷ってしまった。

 雨の中やっとの事で、それらしき道に出たが、果たしてツァヴタット行きバス停があるかどうかわからない。そこでキオスクのような新聞スタンドのおばさんに英語で聞くと、ある方を指さしてくれた。

 近くまで行くと、女性がそれらしきバス停でまっているので、聞くと自分もツァヴタットに行くとのこと、そこで待つこと10分ほどで、ツァヴタット行きのバスが来た。斜面に道路を造っているので、行きと帰りの道は一方通行となっており、違うルートだったのだ。

 アパート前のバス停で降りる。バス停の前にある食品を中心としたコンビニ的な店があったので、そこでパン、バター、チーズ、飲み物などを購入。アパートで夕食をとる。

つづく