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富士五湖、自然と文化・歴史短訪

青木ケ原樹海1
Aokigahara Sea of Trees, Yamanashi pref.

青山貞一・池田こみち
 独立系メディア E-wave Tokyo 2023年9月30日
 

青木ヶ原樹海  出典:尾林英夫氏 グーグルマップストリートビュー

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青木ヶ原樹海1  青木ヶ原樹海2  青木ヶ原樹海3

 その昔、青木ヶ原樹海は、一度は行ったら元に戻れないとか、殺の名所等と言われたわれたが、今は県道139号線や県道71号線が周囲を走り、スマホやGPSによりそんなことはなくなったという。とはいえ、やはり青木ヶ原樹海は、樹木がうっそうと生い茂り、やはり不気味な存在であることは間違いないだろう。

 私たちは精進湖や本栖湖のあたりをぐるぐると車で回ったこともあり、今の青木ヶ原樹海をみることができた。


青木ヶ原樹海  出典:Ryo氏、グーグルマップストリートビュー



青木ヶ原樹海と富士山、富士五湖

青木ヶ原樹海概要 Wikipedia

 青木ヶ原樹海、あるいは富士の樹海とも呼ばれ、山頂から眺めると木々が風になびく様子が海原でうねる波のように見えることから「樹海」と名付けられたという説もある。樹海の歴史は約1200年とまだ浅く、若い森である。

 富士箱根伊豆国立公園に属し、富士山原始林及び青木ヶ原樹海という名称で、国の天然記念物に指定[1]されている。このほか国立公園の特別保護地区に指定[2]されており、世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の富士山域に含まれる。

地理


青木ヶ原珠海 出典:グーグルマップ

竜ヶ岳から望む青木ヶ原、右に西湖
青木ヶ原の位置(100x100内)青木ヶ原
青木ヶ原
富士山

富士山とおおよその青木ヶ原樹海の位置関係

青木ヶ原の原生林。

 昼間でも奥に入ると薄暗い。

 富士山麓の北西、標高920 - 1300メートル付近に広がる。面積はおよそ30平方キロメートルである。

 貞観6年(864年)に、富士山の北西山麓で大規模な噴火活動(貞観大噴火)が発生した。流れ出た膨大な量の溶岩は大室山を迂回して流れ、森林地帯を焼き払った末に、北麓にあった広大な湖・剗の海に達し、大半を埋没させた。やがて溶岩地帯には、1200年の時を経てツガやヒノキを中心にハリモミ、ヒメコマツ、アカマツなどの針葉樹やミズナラなどの広葉樹の混合林である原始林が形成された。

 植物の垂直分布では落葉広葉樹が発達する山地帯にあたるが、水分や養分の少ない溶岩質の土壌であることから針葉樹が発達している。人為的攪乱の加わっていない原生林であると考えられているが、伐採が行われていた可能性が指摘され、石塁も発見されている。周辺には溶岩洞が数多くあり、富岳風穴、鳴沢氷穴、西湖蝙蝠穴はその大きなもので公開されている。

 溶岩流の端には西湖、精進湖、本栖湖がある。864年の噴火以前には現在の青木ヶ原の地に剗の海(せのうみ)という大きな湖があったが、溶岩流でその大部分が埋め立てられた末に西湖と精進湖とが残った。このいきさつは日本三代実録に記されている(→剗の海および富士山の噴火史#略年表を参照)。また紀元前4,000年紀に起きた噴火以前には、剗の海と本栖湖とを隔てる溶岩塊も存在せず、両者はひとつの大きな湖であったとされる。

 樹海の中には国道139号などが通っている。樹海そばにある三湖台を登ると、頂上からは樹海が見渡せる。

生物

 富士山周辺は日本有数の鳥の繁殖地であり哺乳類の宝庫である[3]。確認された哺乳類の種類は42種に及ぶ[3]。

 青木ヶ原から山地帯にかけての一帯は特にツキノワグマの生息密度が高い[3]。その他生息する大型哺乳類は、ニホンザル ニホンカモシカ、ニホンジカ、ニホンイノシシなどである[3]。

観光

 近くにキャンプ場や公園があり、青木ヶ原を通り抜けられる遊歩道も整備されており、森林浴には最適なところである。青木ヶ原と湖と富士山からなる景観も美しい。東京圏から容易に行けることもあり、人気の高い観光地である。青木ヶ原内のコウモリ穴にある西湖ネイチャーセンターでは富士河口湖町公認ガイドによる青木ヶ原散策も行われている。

 反面、樹木が多く深い森であるため、少し道を外れると元の場所に戻ることが難しい。道を外れた場所の地面はむき出しの溶岩で出来ているために、大小さまざまの凹凸があるので、足をとられるなどして怪我をする可能性がある。

 俗説にあるような「一度入ったら出られない」ような恐ろしい場所ではないのだが、これらの危険を防ぐためには、何よりも遊歩道からそれないように心がけるなど、他の山々の森を訪れる時と同様に、ある程度は心得て行くことが必要とされる場所である。また、樹海一帯が文化財保護法における天然記念物、自然公園法における特別保護地区に指定されており、不用意に林内に立ち入り樹木等を損傷させた場合はそれぞれの法律に違反することになるため、法的な観点からも注意が必要である。

 近年は、観光者によるゴミのポイ捨てに加え、外部から持ち込まれた粗大ゴミや産業廃棄物の不法投棄も多く、問題となっている。また、樹海の中でのキャンプの残骸など、冷やかしで訪れる人々によるゴミが増えている。これらのゴミは地元住民が定期的に始末しているとはいえ、他の観光地同様に、観光客のマナーが問われる問題である。さらに、溶岩を持ち帰り(自然公園法、森林法の違反行為である)オークションなどへ転売する行為も行われており、2009年には溶岩を盗んだとして森林窃盗などの容疑で逮捕者も出ている[4]。なお、全国の有志による清掃活動や不審者に対する見回りなどのボランティア活動も強化されている。


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