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富士五湖、自然と文化・歴史短訪

朝霧マウンテン
オリエンテーリング

Asagiri Mountain Orienteering, Yamanashi pref.

鷹取敦
Atsushi Takatori
 独立系メディア E-wave Tokyo 2023年9月30日
 

朝霧高原からの富士山の眺望  撮影:鷹取敦 iPhone

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朝霧高原からの富士山  富士ドクターズヴィレッジ
朝霧マウンテン・オリエンテーリング

はじめに

 2023年9月9日~10日に朝霧マウンテンオリエンテーリングに参加してきました。
https://asagiri-camping.sakura.ne.jp/syusai/amo/

 朝霧マウンテンオリエンテーリングは、静岡県立朝霧野外活動センターが主催する大会です。


■オリエンテーリングについて

 オリエンテーリングという競技は、聞いたことがあっても詳しくは知らないという方が多い比較的マイナーなスポーツなので、簡単に説明します。

 オリエンテーリングは北欧発祥で、地図とコンパスをもって山野に設置されたコントロールポイント(白とオレンジ色の旗=フラッグが設置されています)を探し、順番にまわる時間を競う競技です。

 日本では当初レクリエーションとして導入された経緯があるため、歩いてまわるイメージを持った方が多いようですが、ナビゲーションをしながら走るランニング競技です。山野ではなく公園等を走るスプリントや、スキーやマウンテンバイクを使ったオリエンテーリングもあります。数日間かけてランニング、バイク、ボートなどをつかって進むアドベンチャーレースなどもオリエンテーリングの一種です。

 地形等の特徴や方位を使って、見つけにくいところに設置されている旗にたどり着くためのルートプラン(どのように行くか)を考え、そのルートをできるだけ正しく移動、途中で自分のいる位置を確認しながらフラッグまで走る、頭と身体を使うところが醍醐味のスポーツです。

 森林(日本の場合には山)の中の道のない斜面を下ったり上ったり、川を渡ったるルートプランを立てて進むなどワイルドな側面もあります。

 ルートプランを立てる時には地形や自分の能力複数案を比較検討し、まよったらどのようにして自分の場所を確定するか考え、あらためてルートプランを立て直すなども面白いところです。

 マラソンやトレイルランニングと違って決まったコースがない(コースは自分で考える)ので、オリエンテーリングでは開催される場所のことをコースとは呼ばずテレインと呼びます。

 多くの大会は制限時間2時間程度で直線距離で数キロ程度、優勝想定タイムが30分程度のものが多いようですが、それとは別に規模の大きな大会もあります。

 朝霧マウンテンオリエンテーリングは2人でチームを作り、テントと2日分の食料、(キャンプ用の)調理器具などを背負って2日間にわたって行われるオリエンテーリングです。水以外の補給は原則としてできません。

 このような大会で有名なのは1968年イギリス発祥のOMM(オリジナルマウンテンマラソン)があります。OMMは日本でも行われています。山の総合力が試されるレースとして知られています。


■朝霧マウンテンオリエンテーリングへの参加

 私はもともとスポーツ、特にランニングが苦手だったのですが、縁があり2016年からジョギングを、2017年からフルマラソンを、2019年からトレイルランニングを始めました。

 トレイルランニングの練習のために山に走りにいきます。山の事故で一番多いのが道迷いからの遭難なのでそれに備えるために2019年秋に地図読み(ナビゲーション講習会)に参加しました。そこでオリエンテーリングという競技を知り、私の性格にあっていると思い、2022年から本格的にオリエンテーリング大会に参加しはじめ、2023年7月までに18大会に参加しました。

 2020年、2021年は練習会、机上学習会等に参加したのですが、その主催団体によるクラブに所属しており、先輩方にいろいろ教えていただきました。

 そのクラブの先輩にOMM(11月開催)への参加に誘われました(チームに相方のことをバディといいます)。OMMは10キロほどのザックを背負い移動し、テント泊も必要で、2人でチームを組まなければならないので、参加できる大会だとは思っていなかったのですが、この機会を逃すと参加できる機会はないと思い参加することにしました。

 朝霧マウンテンオリエンテーリング(9月開催)もOMMと同じ形式の大会なので、まずは練習(と課題出し)を兼ねてこれに2人で参加することにしました。

 なおこの先輩(バディ)はこのような大会に何度も参加したことがある経験者です。今回はクラブの新人である私とクラブの活動やオリエンテーリングの大会などで何度か話をした結果、一緒に楽しく参加できそうということで誘ってくれたそうです。


■大会当日

 写真はこの時に準備したザックとその中身です。さらにこれにテントの部品とコッヘル、ガスボンベが加わります。(バディはもっと思いテントの布地?の部分を背負います)


<写真:荷物>   撮影:鷹取敦 iPhone


<写真:荷物>   撮影:鷹取敦 iPhone


<写真:荷物>   撮影:鷹取敦 iPhone


<写真:荷物>   撮影:鷹取敦 iPhone

 テレインである朝霧高原は富士山麓にあります。富士山麓は溶岩でできた「微地形」で、はっきりした尾根、谷ではなく、複雑で不規則な凹凸が広がっていて、オリエンテーリングが難しい地形です。今回の大会のコントロールポイント(フラッグ)は、このような微地形の林の中、藪に囲まれたような場所、枯れた川の中や急峻な斜面の上の方などに設置されていました。

 オリエンテーリングは地図をみて各自ルートを決めるので一斉スタートではありません。一般的には1分おきのスタートが多く、今回も1分毎に各チームがスタートしました。なお難易度により複数のクラスがあり、私たちは「スタンダード」(中級?)クラスに参加しました。

 オリエンテーリングでは参加者が地図を公開してはいけないので、ここには掲載できませんが、朝霧野外活動センターからスタートして1日目は北側、2日目は南側をめぐるマップでした。


<写真:スタート直前>   撮影:鷹取敦 iPhone

 二人でルートプランをたて、ナビゲーションしながら進み、フラッグをみつけていきます。難しいところではあると思ったところでフラッグを見つけられず、あらためて地図をみて自分の位置を確定するための戦略を立てて、やりなおしてフラッグをみつけます。

 私は10キロもの荷物を背負って走るのは初めてで、また暑い日でもあったので、日陰の走りやすい下りは走ることにして、あとは早歩きで進みます。

 ナビゲーションスポーツの先輩と一緒のオリエンテーリングは、ルートプランの実践から学ぶところが多く、またああでもないこうでもないと議論しながら進むのは楽しくもありました。

 1日目は小雨が降っていましたが、暑い日だったのでちょうどよいくらいです。テント場に戻ったタイミングで雨が強くなりました。

 手早くテントをたて、お湯をわかして夕食を取ります。これも初めて(正確には小学生以来)の経験で、学ぶところも多く楽しい経験です。


<写真:テント>   撮影:鷹取敦 iPhone


<写真:テント>  撮影:鷹取敦 iPhone

 寝袋で寝て、翌朝朝食をとり、テントの水気をふき取ってテントを畳み、ザックに収納して2日目のスタートです。この日は晴れていて暑い日でした。今年は異常に暑い年なので今年だけの特例として自動販売機での飲料の購入はOKとされています。

 私はチームでのナビゲーションは初めてで、色々と失敗もありましたが、なんとか2日とも完走できました。(オリエンテーリングはコントロールポイントが1つでも見つけられなかったら完走できないので、完走するだけでもうれしい競技です)

 結果として1日目は30kmほど、2日目は20kmほど歩き(時々走り)まわりました。


<写真:富士山>   撮影:鷹取敦 iPhone

 ほとんど歩いたとはいえ、重い荷物で肩が痛かった以外、体力的には問題ありませんでした。色々失敗したことはOMMへの課題として有益な学びです。

 自分には縁がない、大変そうな競技だと思っていたのですが、無理なく完走できたのはうれしい結果です。先輩にさそわれて参加して楽しい、よい経験でした。

 11月のOMMは北八ヶ岳で開催されます。移動中はともかくテント泊が寒い季節になるので装備は増え荷物も重くなりますが、今から楽しみです。


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