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第5回 アマルフィ海岸自治体の持続可能性基礎調査 2016-6
A Survey on Sustainability of Costiera Amalfitana Comune


スタビアエ遺跡11

Stabiae Remains11
 
 
青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda

  
2020年11月30日 独立系メディア E-wave Tokyo  無断転載禁

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カステッランマーレ・ディ・スタービア(コムーネ)

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ペトラーロ邸 Villa Petraro

 この別荘は、サンタ・マリア・ラ・カリタ(Santa Maria La Carita)との国境にあるペトラロのクパ・サン・マルコ通りに位置しています。別荘は、スタビアとヌセリアの間のローマ時代の舗装道路に近い樹木が茂ったサルノ平野に位置しています。

 1957年、工業用火山礫の採掘中に発見され、探索は1958年まで続き、その後引き続きリベロ・ドルシ(Libero D'Orsi)がフレスコ画と優れた芸術作品を取り除いた後、再び埋め戻されました。

 この別荘の立地する場所は、西暦14年以前にさかのぼる今も現役の農場のある土地を含んでいました。噴火が起こったあと、現場には、建物の装飾材料が積み上げられていたことがその証拠で、おそらく海を見下ろせる好立地でもあり、別荘は改装されレジャー用の別荘(villa otium)に建替られたと思われます。発掘されたものの中には、吹きガラスの瓶、素焼きの水差しや搾油器などが含まれていました。

 別荘には、地下回廊と釜(オーブン)のある広い中庭がありました。部屋は中央部分から分かれていて、作業スペース、大食堂、寝室(個室)、6つの奴隷用の作業場(Ergastulum)、または奴隷用個室がありました。

 注)Ergastulum Wikipedia(en)
  エルガストゥルムは、危険な奴隷を鎖でつないだり、他の奴隷を罰し
  たりするために使用されるローマの建物でした。エルガストゥルムは
  通常、地下の深い屋根のあるピットとして構築され、奴隷がその中で
  働くのに十分な大きさであり、彼らが眠る狭い空間を含んでいた。
  Ergastulaは、奴隷を使用するすべての農場で共通の構造物でした。

 改装後、別荘の東部には、樽型のアーチ型屋根をつけた温泉施設があり、高温浴室、新しい浴槽を建設中だった冷水浴室、部屋を暖めるための粘土パイプを備えた床暖房付きの微温浴室、炉、公衆浴場入り口とクロークルーム、そして更衣室などが備えられていました。

 装飾パネルには、牧歌的な風景、川の神々、天使、そして水に映る水仙を持つパシパエ、プシュケ、ヤギのサテュロス、角杯(リュトン)のサテュロスなどの神話の物語が描かれています。しかし、別荘の壁のほとんどは白い漆喰と25枚の未完成の細かい漆喰のパネル(浅浮き彫り)で覆われていました。

 注)パシパエ
  ギリシャ神話の女性。魔術に優れており、また神の血を引くために不死
  だったとも伝えられている[4]。 その名の意味は「すべてに輝く」であり、
  本来はクレータ島の大地の女神だったと考えられている


 注)プシュケ
  ギリシア神話に登場する人間の娘の名で、この言葉は古代ギリシア語で
  心・魂・蝶を意味する。非常に美しく、プシューケーの美しさは美の女神、
  ウェヌスへ捧げられるべき人々の敬意をも集めてしまうほどであった。

 注)サテュロス
  ギリシア神話に登場する半人半獣の自然の精霊である。ローマ神話にも
  現れ、ローマの森の精霊ファウヌスやギリシアの牧羊神パーンとしばしば
  同一視された。「自然の豊穣の化身、欲情の塊」として表現される。その
  名前の由来を男根に求める説がある。



Unfinished stucco panels  未完成の白い漆喰の壁画(パネル)
Source:Wikimedia Commons
CC BY-SA 3.0, Link



Amorino con cesto バスケットを持つキューピッド
Source:Wikimedia Commons
CC BY-SA 3.0, Link

Psiche プシュケ


Bassorilievo proveniente da Villa Petraro ペトラーノ邸の壁の浅浮き彫り
Source:Wikimedia Commons
CC BY-SA 3.0, Linkrce:Wikimedia Commons


スタビアエ遺跡12につづく