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第5回 アマルフィ海岸自治体の持続可能性基礎調査 2016-6
A Survey on Sustainability of Costiera Amalfitana Comune


スタビアエ遺跡12

Stabiae Remains12
 
 
青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda

  
2020年11月30日 独立系メディア E-wave Tokyo  無断転載禁

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カステッランマーレ・ディ・スタービア(コムーネ)

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◆スタビアエ遺跡12

カルミアーノ邸 Villa Carmiano (Villa A)

 この別荘は、グラニャーノのカルミアーノ近くにある二つの別荘の一つで、1963年からリベロ・ドルシ(Libero・D'Orsi)によって発掘されましたが、1998年に再び埋め戻されました。発見された多くの細かいフレスコ画は、保存のために取り除かれました。

 場所は、ヴァラーノ高原から1km弱のところにあり、農村地域の素朴な別荘です。400平方メートルの面積を持ち、歴史は紀元前1世紀の終わり頃に遡ります。 絵画の品質から、所有者が裕福な農民であったことが示唆されます。最も重要な作品は、主食堂に描かれたもので、題材は、ネプチューンとアミーモーネ(妖精アミモーネを追いかけるネプチューン)、バッカスとセレス、ディオニュソスの勝利などです。

 入り口には犬用ベッドがあります。中庭(アトリウム)にはミネルバ専用のララリウム(壁の窪みなどに設えられた家の中の小さな神棚的なもの)があります。給仕室には、葡萄圧搾機(ワインプレス)、集めた果汁用のタンク、そして、合計容量7000リットルの12個の陶器製の甕(ドリア)を備えたワインセラーがあります。

 作物の保管に使用される部屋と農地を耕す道具を保管する部屋の床は粘土で舗装されており、大食堂(主食堂)などの住宅部分はフラビアンアートの絵画で美しく装飾されており、床はタイル張りになっています。

 注)dolia(doliumの複数形)
  ドリウムは、古代ローマ時代に品物の保管または輸送に使用された大きな
  陶器の瓶または器です。これは、今日までジョージアのワイン生産に広く使
  用されているクヴェブリに似ています。

 注)Flavian art Wikipedia(en)
  フラビアンアートは、紀元69~96年のフラビアン王朝時代のローマ帝国の
  芸術作品です。すでにクラウディウスとネロの時代に、彫刻のスタイルは後
  期共和国を支配していた新アッティカのアテネの芸術とは一線を画し始めま
  した。このスタイルは、フラビアン王朝のもとではほぼ確実に放棄されました。


 発掘中に見つかったMAR.A.Sの文字が入った印章/封印は、後援者(パトロン)の名前の頭文字MAR、続いて姓の頭文字A、そして、S(SeriviceのS)という単語を記録する場合があります。


画像左:Triumph of Dionynsus ディオニソスの勝利
Source:Wikimedia Commons
CC BY-SA 3.0, Link



Bacchus and Ceres, from the triclinium
バッカスとセレス、食堂より
Source:Wikimedia Commons
CC BY-SA 3.0, Link

サンタントーニオ・アバテ邸 Via Sant'Antonio Abate

 この別荘は、サンタントーニオア・バーテの上部にあるカササレセにある農村の別荘で、ポンペイとヌセリアとの国境にある農業地帯の端にありました。

 1974年に発見され、ローマ時代の生活に関する重要な情報を提供してくれました。ブルボン家でさえも、これまで発掘されたことがないほど、多種多様な遺物が含まれていました。

  別荘の片方の棟だけが発掘されたと考えられています。2009年に、この別荘の修復および復旧プロジェクトが40,000ユーロで承認されました。


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